ハルジオンからヒメジョオンへ
ハルジオンの花はとうに散り、種(実際は実)もあらかた新天地へと飛び立っていきました。
種が飛び去った後も、それなりの存在感がありますね。
代わって登場したのがヒメジョオン。今を盛りと咲いています。
ハルジオンもヒメジョオンもキク科ムカシヨモギ属で親戚どおし。とてもよく似ています。生育する場所も共通なので、どちらがヒメジョオンで、どちらがハルジオンなのか、なかなか区別がつきません、
識別方法としては、「茎が中空だとハルジオン、詰まっているヒメジョオン」が一番有名ですが、わざわざ茎を折るのも気が引けます。
蕾が垂れているか、そうでないかで判断するのが手っ取り早いですね。ハルジオンは蕾のうちは俯いていますが、ヒメジョオンは蕾も元気に上を向いています。ただし、この方法は、咲ききっていて蕾が無いとお手上げです。
一番確実なのは、葉っぱの茎への着き方。茎を抱くようにしているのがハルジオンで、茎からすっと生えているのがヒメジョオン。でも、あまり葉っぱをしげしげとは見ないですよね。
《 ハルジオンの蕾は下を向いています。 》
《 ヒメジョオンの蕾は下なんか向きません。なにせお姫様ですから、つんつんしているのです(?)。 》
⭐ 困ったことに、俯き加減の蕾も・・・。
すぐ上の写真と下の写真は、コンデジで数日前に撮ったもの。散歩中にちゃっちゃっと。
撮影した時はまったく気がつかなかったのですが、下の写真をよくご覧ください。虫たちがたくさん集まってきています。
手前の咲きかけの花には、カかユスリカが蜜を吸っているようです。
奥の蕾には、カゲロウのような小昆虫がへばり付いていますし、カかユスリカがしがみついている花の下の方の葉には、ガのような、カメムシのような虫の姿が見えます。
もっとちゃんと観察すればよかった。
ところで、同じキク科ムカシヨモギ属で、とても良く似ている両者が、どうして一方は「紫菀」、一方は「女菀」なのでしょうか? 特にヒメジョオンは「姫の女の菊」という意味になり、どこか変。
そう思っていたら、どうやら、本当はヒメジョオンを、小さめのシオンということで「ヒメジオン」としたかったらしいのです。
でも、在来種に「ヒメシオン」(キク科シオン属)があったもので、ヒメジョオンとなったとのことです。