シロバナタンポポの不思議
日本原産のタンポポは、ほとんどが二倍体。
セイヨウタンポポは、先に述べたとおり三倍体。ただし、最近の研究によると、意外なことには、四倍体のものもかなりあるようです
その中にあって、日本原産であるシロバナタンポポは五倍体(これま5あ、四倍体のものもあるようです。)。
(エゾタンポポは原則三倍体ですが、四倍体から十一倍体までのタンポポまであるらしい。びっくり。)
奇数倍体の場合、減数分裂がうまくいかないことから、受粉により種をつくることができません。種ができないと他の植物に居場所を奪われて滅びてしまいます。でも、三倍体のセイヨウタンポポも、五倍体のシロバナタンポポも、綿毛に包まれた種をたくさん着けますし、その種からはちゃんと芽がでます。
それは、セイヨウタンポポもシロバナタンポポも、親株の体細胞から種をつくる能力を持っているからです。種は親株とまったく同じ遺伝子を持つクローンということになります。
写真を見ると、舌状花(周辺の花弁に見える部分、実は舌状花の集合体)が、こんもりと舌状花のみを着けるセイヨウタンポポなどに比べ少ないことが分かりますね。これがシロバナタンポポの特徴です。
ところで、植物には二倍体、三倍体、四倍体、五媒体、六倍体・・・とあるようですが、
二倍体→四倍体→八倍体
三倍体→六倍体→十ニ倍体
と変異するのが基本のようです。
三倍体は四倍体と二倍体の親から出現するわけですが、さて、五倍体は?
八倍体と二倍体?
シロバナタンポポは、二倍体のカンサイタンポポと、私は見たことも聞いたこともないケイリンシロタンポポとの自然交配により生まれたことは判明しているようです。
それが、四倍体らしいのです。
どういうことなのでしょうか?
奇数倍体がどのように出現するのかは、まだよく判っていないとのこと。ちょっとしたミステリーですね。