ユズリハの若葉育ちゆく
ユズリハは、雌雄異株です。
花が咲いているころは、どちらかというと、雄木の方が派手で、雌木は目立ちません、これは、雄木の方が、細かな花の密集度合いが雌木に勝るから。
でも、これからは、雌木が主役です
緑の色が濃く垂れ下がり気味の昨年の葉と、その上に今年生じた若々しい新緑の間に見える房状のもの、これがユズリハの果実です。秋に熟するので、まだ赤ちゃん。
雄木は、今年の葉と去年の葉の間に咲いていた花がすべて落ち、なんとなく間の抜けた印象。
雄木でも雌木でも、昨年の葉は、今年の若葉が立派な成人の葉に成長するまで、下から若葉を見守り、支え続けます。
そして、孫の代に当たる新芽が生じる晩秋に、「役目を果たした」と言わんばかりに黄色く枯れて散っていくのです。
人は、ユズリハのこの成長の仕方に、親の世代から子の世代へ、子の世代から孫の世代へと家を譲っていく人間の姿を重ね合わせました。