栴檀は双葉より芳しいわけでは・・・。でも・・・。
センダン(栴檀、センダン科センダン属)の花、今年は4月が寒かったために、少々遅れめ。
それにしても、さすがに花の盛りは過ぎたようです。
今年は、花の写真をアップで撮る作業をさぼってしまいました。緊急事態宣言発令下とはいえ、「お散歩へたっぴカメラマン」としては、怠慢のそしりを免れることができません。申し訳のない次第です。
「もちろん、最終的な責任は私にあります」などと言うと、いつも責任を取らずに済ませてしまう誰かさんみたいなので、深く反省をしますが、「最終的な責任」うんぬんには言及いたしません。
え~と、怠慢ついでに、遠くから撮影しました(こらぁ。)。
遠くから眺めて、
「あれ、あの木、なんだかもやもやと煙っているみたいだね。」
と思ってくれる人はまだ良い方で、花に関心のない人は咲いていることすら気が付きません。それほど目立たない花。
でも、近くに寄ってみると・・・
(恐れ入ります。蔵出し写真です。)
どうです。遠くから見ると、
「なんか霞んだ花だなぁ。」
としか思えない花が、意外や意外、綺麗だと思いませんか。
藤色の蕾はとても優雅。開花すると、ごく薄い紫の花びらの中心に、濃紫の筒状の蘂(しべ)が出現します。平安時代の女御、更衣のよう。
急にたとえがロマンから遠ざかりますが、雄蕊が雌しべを「海苔巻き」のように包み込んでいるんですね。
実に可愛い。
「『栴檀は双葉より芳し』というくらいだから、さぞかし香り立つのだろうな、と思いますが、微かに良い匂いがするだけ。
おかしいなと思いますよね。嗅覚異常が生じたのかと心配になる人もいるかと。
でも、ご安心あれ、「栴檀は双葉より芳し」の「栴檀」は、この木のことではなく、白檀などの香木のことなのです。
センダンなどという高木と紛らわしい名前を頂戴したために、くんくんと匂いを嗅がれ、しまいには、
「なんでぇ、それほど匂わねぇや。」
と悪態をつかれるのは、何とも気の毒。あんなにきれいな花を咲かせるのにねぇ。