お松の池周辺の花 その2
旅館のすぐ近くの休耕田の中にコウホネ(スイレン科コウホネ属)の花が咲いていました。
池の中に咲いているコウホネを見慣れていたので、今回の、根元まで水の上に出て咲くコウホネとの出会いは実に新鮮。来年の年賀状に使う「昨年出会った花、キノコ、鳥、昆虫たち」のコウホネ(候補ね)。
こやんぴのジッジギャグに付き合っている暇はありません。
(暇は有馬温泉って言うと思った方、考えすぎです。)
次にいきましょう。
さて、この花(↓)をご存知ですか?
「ああ、庭にあるから知っているよ。」という人以外には、あまり馴染みがないかも。
実はこれ、秋に鮮やかな紫色の実を結ぶムラサキシキブ(クマツヅラ科ムラサキシキブ属)の花なのです。なかなか可愛らしい花ではありますが、とても小さく目立ちません。
この株は、栽培されているものではなく、林地に自生している天然もの。それもあって、虫さんたちに葉をかなり食べられてしまっています。
ところで、
「うちの庭に植えてあるから、ムラサキシキブの花だってこと、こやんぴに指摘されるまでもなく、最初から分かっていたさ。」
という方に衝撃的な事実をご報告。
お宅の「ムラサキシキブ」、秋になるとびっしり実がつきますか?
「そりゃあ、もう、源氏物語の世界を彷彿とさせる上品な紫の実がたくさん! 自然に生えているムラサキシキブが更衣だとすれば、うちのは中宮だね。」
ほうほう、そうなんですかぁ。
ということは、それ、ムラサキシキブじゃあない可能性が高いんですよ。
「えええっ、何言ってるの? 有名な店で購入した正真正銘のムラサキシキブだよ、うちのは。」
それが、違うんですよね。
「まさか、まさか、『ニセアカシア』のように、柳亭種彦の『偽紫田舎源氏』みたいに、『ニセムラサキシキブ』なんて名前なんじゃないでしょうね。もしそうだったら、私、大ショック!」
ご心配なく、「偽紫式部」ではありません。それどころか、とっても優雅な名前が付いているので、大丈夫ですよ。
コムラサキです。コシキブという別名もあります。
コムラサキも語感が良いし、才女の誉れ高き小式部内侍を想起させるコシキブも素敵な名前ですね。
コムラサキは、ムラサキシキブに比べ、実がびっしりと付くんです。そんなわけで、庭木として販売されている「ムラサキシキブ」の大半は、コムラサキなのだそうです。
我が家の庭にも咲いているホタルブクロ(キキョウ科ホタルブクロ属)が、お松の池近くにも。
川越では、もう花の季節は終わりですが、六日町では、まだ咲き始め。一月以上遅れて咲くようです。
あっ、そうそう、ホタルといえば、宿の近くの小川には、たくさんのホタルが幻想的な光を放って飛び回っていました。
宿の方が仰るところによると、今年は、例年に比べホタルの数が多いとのこと。確かに、昨年の今頃よりもずっと多くのホタルたちが、高く、低く舞い踊っていたので、私たちは大感激。かなり長い時間、幽玄の世界を楽しむことができました。
えっ? ホタルの写真ですか? それ相応の準備をしていかなかったので、最初から断念。残念です。
「残念」などと、「それ相応の準備」をしていけば、綺麗な写真が撮れそうな言い方ですが、私の腕前ではうまく写らない可能性の方が、杉の木の天辺付近まで飛ぶホタルよりも、ずっとずっと高いかと。