「瀬切れ」が心配
「瀬切れ」とは
「瀬切れ」って、聞きなれない言葉ですよね。
河川の流量が少ない渇水時に、水が河床の砂礫内を流れてしまい、表面に水が流れていない状態のことを言います。
元々流量の少ない小さな河川では、渇水期にこの現象が起こることは、まあ、なくはありません。当地でも、つい最近電車から眺めた不老川が涸れていました。
でも、入間川のような大きな河川で起こるなんて思いもよりませんでした。
田植えの時期の前倒しが原因?
私が子どもの頃、当地での田植えは、6月になって雨がしとしと降るようになってから。ところが、最近は5月の連休明けから準備が始まり、5月中には田植えが終わってしまうようになりました。
当地での農業用水は、地下水の汲み上げによっています。あちこちで水を大量に必要とするため、近隣の都市化により元々地下水位が下がっているのですからたまりません、地下水位がぐんぐん下がります。その上、上流には入間川から農業用水を取り入れている地域もありますので、地上部を流れる水の量はどんどん減っていきます。
瀬切れ、悲喜こもごも
5月の降水量が少ない年は、それが特に顕著で、ついには地上部の水の流れが止まってしまう事態が生じます。そうなると、魚たちは大弱り。居場所が狭まってしまうのですから当然ですね。
ほぼ干上がってしまい、水草やプランクトンが腐敗し悪臭すら漂う事態となったこともありました。その際には、逃げ遅れた鯉などの救出作戦が展開されたこともあります。
困った事態です。水辺環境にとってもよろしくない状況です。
ところが、瀬切れを喜んでいるものもいるのですから、世の中は不公平です。
大喜びなのがサギの仲間。餌をあっちこっちと探し回る必要がなくなり、もう、入れ食い状態。ウハウハです。
(この写真は今朝の状況。水量は減ったものの、魚たちの居場所、逃げ場所はまだ広く、チュウサギさんは、簡単にはエサにありつけません。)
中喜びは、カワウ。深い所があるうちは、そこに鯉や鮒などが集まって逃げ場を失っているので一網打尽。ホクホクです。大漁です。
でも、さらに干上がってしまうと、カワウは「丘に上がった河童」、羽を広げて、オー、ノー! お手上げ。
だから「中」なのです。
昨日確認したところ、かなり入間川の水量が減っていました。今年も、ちょっと心配な状況です。
今日のようなまとまった雨が降ると、鯉や鮒などのためにもホッとするこやんぴなのでした。