嵐の来る前の夕焼け、稲穂・・・
昨日の夕方、少しばかり、水田地帯を歩いてきました。
稲は、すでに穂を重そうに垂れており、後は刈り入れを待つばかり。
休耕田にも、耕作をされている方が疎らに苗を植えていたのですね。一風変わった光景。
「川越特急」仕様の東上線列車が、稲穂の波の向こうを通り過ぎていきました。
この日の夕焼けは、必ずしも「上出来」とは言えませんでしたが、秋が来たことを感じさせる「優しさ」があったと思います。奥武蔵の山々も、「やっと、涼しくなってきたわい。」と言っているかのよう。
《 直角三角形のように見える山は、武甲山。 》
《 川越線の通過車両が写せればよかったのですが、後に用事があったので、列車を待つことができませんでした。東上線ほど頻繁に通りませんので。 》
こんな穏やかな夕焼けを見ていたら、天気予報のなかった昔の人は、「当分、良い天気が続きそうだ。」と思うに違いありません。まさか、台風15号が猛スピードで近づいていることなど分からなかったでしょうから。
台風被害の少ないことを願っています。
コアシナガバチの巣 無惨
ついに、コアシナガバチの巣の運命は風前の灯となってしまいました。
働き蜂の数が急減してしまいました。残っている蜂の中で目立つのが、まだ脱皮したばかりの若い蜂。見習うべき先輩の数が減ってしまったので、おろおろしていて、作業にまるで身が入っていません。
ヒメスズメバチに襲われている場面は、数日前、近づこうとしていていたスズメバチを水のジェット噴射でて追い払ったとき、そして、その翌朝、アシナガバチの面前で、堂々と、そのハチたちの妹たちである幼虫や蛹を味わっているとき、の2回しか確認していません。
でも、巣を見ると、蛹の入っていた巣の蓋が、あちらこちらで乱暴にこじ開けられているのが分かります。おそらく、スズメバチは毎日やってきて、豪勢な食事を満喫していったに違いありません。
順調に巣が大きくなり、活気にもあふれていた集団だっただけに残念です。
ガガイモの花 実(み)は想定外
ガガイモの花が咲き出しました。
この株は、花の色が鮮やかですね。
満開になると、微かに良い香りが漂います。
ガガイモは「ガガイモ科」、ずっと、そのように記憶していました。ところが、今では、「キョウチクトウ科イケマ属」ということになっています。
えっ、キョウチクトウの仲間なの? もう、びっくりです。
なぜこんなことになったのかというと、DNA分析が進む世の中に変わり、以前主流だった被子植物の分類体系「クロンキスト体系」は主流の座を奪われ、いまや、DNA解析を土台としたAPGという名の被子植物分類体系が王者の地位を獲得しているのです。
そう、クロンキスト体系では、ガガイモはガガイモ科だったのですが、APGでは、キョウチクトウ科に属することとなったのです。
ところが、話をややこしくすることには、クロンキスト体系は今でも使われていて、過去の遺物とはなっていないのです。学術分野ではAPGの体系に統一されていますが、園芸の世界などでは、今でもクロンキスト体系が生き残っているからです。
クロンキスト体系が生き残っているおかげで、温室で見かけたマダガスカルジャスミンがガガイモ科で、ガガイモの仲間だと知ることができました。
ところで、ガガイモの花は1センチ内外の大きさなので、花後にできる実も可愛らしいだろうと思いませんか。
私は、ずっとそう思っていました。
ところが・・・
秋になって稔る実は、これです。
まるでゴーヤ。
熟れたらさぞや美味しいと思いのほか、冬にはこうなって・・・実の中には細かい種がぎっしり詰まっています。
そして、落下傘付きの種は、冬の強風に乗ってふわりふわりと新天地を目指すのです。
ちなみに、マダガスカルジャスミンの実は、ゴツゴツしたガガイモの実とは異なり、まるでパパイヤのようで美味しそうです。でも、さすがガガイモ科、そのうち、ガガイモと同じように、実がパッカリと開いて種が飛びだしていきます。
ジャコウアゲハ(メス)の滑空?
下手なシャッターも数切りゃ写る、と申します。
本当は、下手な鉄砲も数撃ちゃあたる、ですけれどね。
一昨日の朝散歩の際に、ジャコウアゲハの雌に出会いました。
ちょっと見にはキアゲハのようですが、ジャコウアゲハの方がずっと地味。
悠然と飛び回るばかりで、葉の上に翅を休めてくれる様子がみえません。仕方なく、やみくもにシャッターを切りました。
写っていたのが、下の写真。
翅を水平にし、グライダーのように滑空している・・・かのような写真となりました。
実際のジャコウアゲハは、気ままに舞い踊りはするものの、滑空飛行を披露することはありません。
舞い踊りの一瞬、たまたま翅が水平になっているところが撮れてしまったのでした。
センニンソウが咲き始めました
春の芽出しや花後の実を見ると、園芸種のクレマチスにそっくりなので、「ああ、クレマチスの仲間なのだな。」と実感します。
先日、蓼科のバラクラに行った際、苗木売り場に「クレマチス センニンソウ」と表示されて販売されていたのには驚きました。野生のセンニンソウを知らないと思しき観光客の方が、その鉢植えにご執心の様子でした。買われたのかな?
8月の末から9月の初めにかけてセンニンソウが咲き出し、9月に入ってツルボが続きます。そして、ヒガンバナ。センニンソウの花期は長いので、ツルボとヒガンバナとの「三重奏」を楽しむことができます。白と桃色と朱色の饗宴。
当地のセンニンソウも、白くて可憐な花をつけ始めました。
開きかけのセンニンソウも美しい。
オニフスベとノウタケ 老菌になったら・・・
8月19日、入間川河川敷の林中に、オニフスベとノウタケとを見つけました。
オニフスベは、色が白く、かつ、かなり大きいので遠くからでもよく目立ちます。
ボール遊びを楽しんでいた子どもたちが、途中でパンクしてしまったボールをぽいっと捨てた・・・みたいに見えます。
《 オニフスベの幼菌。見つけたものは直径20センチメートルほどですが、大きいものは50センチメートルを越えるそうです。 》
《 ノウタケの幼菌。パンケーキみたいで、何となく美味しそう。幼菌から成菌初期までは食用になるそうですが、私は食べません。 》
《 8月25日のオニフスベ。成菌となり、白さが増しています。 》
《 これは、9月1日に森林公園で見かけたノウタケの成菌。表面に脳のような皺があるため、ちょっと不気味。幼菌のときはともかく、成菌になると、「食用のキノコですよ」と言われても、なかなか手が出ませんよね。 》
今朝、久しぶりに、オニフスベを見つけた林の近くに足を向けたのですが、遠くからでもよく目立ったオニフスベの姿が見当たりません。誰かに蹴っ飛ばされて、踏みつぶされてしまったのでしょうか。
林に入り込み、確認してきました。
遠目で確認しても分からないはずです。白くてゴムまりのように弾力のあったオニフスベが、なんと、こんな色、こんな姿に。
老菌となったのです。靴でちょっと踏むと、埃のようなものが舞い散ります。実は、それが胞子。無数の胞子たちがオニフスベから旅立っていきますが、ほとんどの胞子は良い環境のもとに着地することができず死滅してしまいます。万に一つの幸運を引き当てた胞子だけが、次の世代を生きていくのです。
《 キノコの周りにも、オニフスベから放出された胞子がたくさん。 》
さて、ノウキンはどうなったでしょうか。これまた、衝撃的。
《 パンケーキみたいに美味しそうだったノウキンも老菌になると惨め。叩くと埃の出る身体となっています。こうなると、食べることはできません。って言うか、誰も手を出しませんよね。 》
アシナガバチの受難、その後
昨日までは、ヒメスズメバチの襲撃を受けているアシナガバチを「フタモンアシナガバチ」と記していましたが、巣の形状とハチの体長から、「フタモンアシナガバチ」より少し小型の「コアシナガバチ」であることが分かりました。
(過去の記述も訂正しました。)
どうやら、当家には、コアシナガバチとフタモンアシナガバチが巣を作っているようです。
今朝、様子を見に行ったら、なんと、おそらく昨日と同じ個体であろうスズメバチが「優雅な朝食」のテーブルについているところでした。スズメバチにとっては天国ですが、後輩である幼虫や蛹が命を落とすところを見せつけられるアシナガバチにとっては地獄絵図。
コアシナガバチは、スズメバチにはどう抵抗してもかなわないと学習してしまったのでしょうか、無抵抗主義を貫きじっとしたまま。ですから、スズメバチは、悠然と「美味しい朝食」に舌鼓を打つことができるのです。
スズメバチは、食事が済んでもすぐには飛び立ってくれません。憎たらしいことに、肢で口の周りを丁寧に拭い、十分に身だしなみを整えた上で、満足そうに飛び去っていくのです。
飛び立ったところをスズメバチ用の殺虫剤で狙えば退治できるかもしれません。でも、アシナガバチにも被害が及ぶ可能性があります。もしかしたら、私も刺されてしまうかもしれません。
それ以上に、「自然の摂理」に手出しをすることに対する躊躇もあります。アシナガバチには気の毒ですが、私はアシナガバチの救世主にはなりえないのです。
今のところ、一頭のスズメバチに襲われているだけなので、その個体が満腹になると去っていってくれます。ですから、巣が一挙に全滅することはありません。
でも、せっかく生まれた幼虫や、もうすぐ成虫になる蛹を食べられてしまうところを眺めざるを得ないなんて、アシナガバチたちも、とんだ疫病神に魅入られたものです。
救いは、まだアシナガバチの女王蜂が健在だということ(女王蜂がいなくなると、働き蜂たちは巣を放棄し、何もしなくなって、やがて死んでしまいます。)。
女王蜂は新しい卵を産み続けてくれる存在、その女王蜂が元気でいてくれのですから、働き蜂たちは、スズメバチが去った後、生き残った幼虫たちの面倒を一生懸命にみているのです。実に健気。
スズメバチが集団で襲ってくることがないことを祈るのみ。