ああ、アシナガバチの巣が・・・
これは、8月下旬のコアシナガバチの巣の状況。
多くの蛹が孵化し、働き蜂となって密集して活動しています。とても元気のあるグループに育ちました。
ところが、今日、水撒きをしていたら、この巣に近づく怪しい影が・・・。
ついに恐れていた事態が生じてしまいました。一頭だけですが、ヒメスズメバチが襲撃を仕掛けてきたのです。
私も慌てましたが、とっさに散水ノズルを「ジェット力」に切り替えて、スズメバチに向けて放水。なんとか退散させることに成功しました。
でも、敵もなかなかにしつこい。追い払っても追い払っても襲撃してきます。散水ノズルによる防戦五たびほど。その後もしばらくの間、空襲警戒に努めていたのですが、また少し経ってから出直すつもりなのか、今日のところはあきらめたのか、姿を現しませんでした。
襲撃を受けた巣の状況は、下の写真のとおり。巣全体はまだ無事のようですが・・・
でも、あんなにたくさんいた働き盛りの蜂の数がかなり減っています。
敵わないまでもスズメバチに敢然と立ち向かい、命を落としていったのでしょう。
スズメバチは、何度も襲来し、個別撃破を図って働き蜂の数を減らしてから、蛹や幼虫を狩るつもりなのかもしれません。
孵化したばかりの働き蜂がおろおろしてる姿が涙を誘いますが、幸い、蛹や幼虫たちは、まだ無事のようです。
いずれにしても、スズメバチは襲撃をあきらめることはないでしょう。
戦力がかなり落ちてしまったこの巣の運命は、風前の灯です。
あのスズメバチ、蜘蛛の巣に引っ掛かるか、カマキリに捕まるか、鳥に食べられるかしてくれないかなぁ。
ニオイコベニタケでした。で、どんな匂い?
昨日ご紹介した乙女チックなこのキノコ・・・
70歳間近のジッジでも、
「うわぁ、可愛い!」
と、思わず叫びたくなるその愛らしさ。
名前が分かりました。
「ピンクのキノコ」でネット検索したところ、このキノコの写真が出てきたからです。
ベニタケ科のニオイコベニタケ。
漢字と平仮名で表記すれば、「匂い小紅茸」。
「えっ、匂うの、このキノコ?」
しまった! 写真を撮ることに夢中で、ニオイコベニタケの、恐らくはその美貌に相応しい上品な香りを楽しむことはできませんでした。
「あのさあ、こやんぴ、『匂い』って芳香とは限らないんじゃあないの?」
ドキッ。どうやら私、姿形で人や物事を判断するオッチョコチョイな人間、軽薄タイプのジッジだったんですね(何を今更!)。詐欺に引っ掛かりやすいので要注意です。
匂いに関する記述を読んで、びっくり仰天。
どんな匂いがすると思いますか?
・・・・・・ カブトムシの臭いですと。
いつのまにか、「匂い」が「臭い」に変わっております。多彩なるかな、日本語。
カブトムシ、特に雌のカブトムシのなんとも表現のしにくいあの臭い、思い出すなぁ、子供の頃の夏。手にまとわりついた臭いがなかなか落ちなかったっけ。
次回、ニオイコベニタケに出会ったら、さて、嗅ぐべきか、嗅がざるべきか・・・
それが・・・まぁ、複雑さを増す国際問題に比べたら、どうでもいい問題なのは確かですが、怖いもの見たさ満々のこやんぴのことですから、きっとくんくん嗅いで子供時代を懐かしく思い出すことでしょう。
武蔵丘陵森林公園で、キノコ、キノコ
昨日の午後、武蔵丘陵森林公園に出かけてきました。自転車を借り、ほぼ園内全域を走り回ってきました。足がぱんぱん。
キノコがいっぱい。
たくさん写真を撮ったのはよいけれど、図鑑で名前を調べても、なかなか同定が難しくて・・・。四苦八苦しています。
そのようなわけで、本日ご紹介するのは、ほんの一部。その「ほんの一部」も、今日のところ「名無しの権兵衛」がほとんど。
恐れ入ります。
最初に見つけたキノコは、ノウタケ。たまたま知っているキノコでした。数日前に川越市内で見かけ、ネットで嫌というほど調べまくったので、まず間違いなし。
「ノウタケ(脳茸)」の名前の由来は、表面が脳のような皺模様なので。
「気持ち悪い」と思われる方も多いと思いますが、幼菌から成菌の初期には食用になるそうです。
もちろん、公園内なので採取はしませんし、そもそも、私にはキノコ狩りの趣味はありません。キノコには食用のものとよく似た毒キノコがあるので、どうしてもビビります。家では、食料品店で買った栽培品のキノコだけを食べています。
美味しいキノコなのか、公園内に住む「何者か」が齧った跡があります。イグチ科のキノコでしょうか? 食べられそうな気がしますが、これを齧った「何者か」が特異体質なのかもしれず・・・。
スーパーマーケットなどでは野菜売り場に置かれているキノコですが、他の野菜が属する「植物」ではありません。植物の大半は自ら栄養を作り出す能力を持っていますが、キノコは、動物と同様、栄養を自分では作ることのできない従属栄養生物の「菌類」なのです。
イグチ科かもしれないこのキノコも、有機物を分解して栄養を吸収し生きている菌類の子実体。
そのキノコが、同じ菌類である黴に蝕まれています。分解者が分解者によって分解される姿・・・シュールです。
この日一番びっくりしたのがこのキノコ。
「傘」はとってもかわいいのに、「つぼ」が何ともグロテスク。
名前は、多分、イグチ科の「ベニイグチ」。
ベニイグチに似ているけれど、こちらは黄色っぽいですね。頭(傘)をがっくりと垂れてしまっています。「キアミアシイグチ」の老菌でしょうか。
これもイグチ科かな? イグチ科のキノコの傘の裏側は、シイタケのような放射状の「ひだ」ではなく、ぶちぶちと穴の開いた「管孔」です。
「コウジタケ」に似ていますが、柄が赤いのがちょっと気になります。柄は普通黄色らしいのです。でも、中には柄が赤くなるものもあるというので、「コウジタケ」の可能性あり。
このキノコも公園内に住む「何者か」によって食べられてしまったようです。卵からおもちゃのような幼菌が姿を現した段階。食べられていなければ慎重に撮影したのですが、雑にとったのでボケた写真になってしまいました。「タマゴタケ」です。
食べたら危なそうに見えるタマゴタケですが、実は食用になります。
これは、かわいい! 傘の直径が5センチメートルにも満たない小さなキノコです。成長すると傘が漏斗状になるようですね。名前は・・・今のところ、分かりません。
貧乏蔓(ヤブガラシ)に集う金満家
ヤブガラシ(ブドウ科ヤブガラシ属)は、生育力旺盛な草本植物です。
他の植物に絡まりつき、太陽の光を奪うことによって絡みついた植物を枯らしてしまう、というので「藪枯らし」。
庭にヤブガラシを放置したままにしておくと、雑草の手入れをしていない貧乏所帯とみられることから、別名を「貧乏蔓」(他の説もあります。)。
どちらにしても、「嫌われてるなぁ」感満載ですね。
種でどんどん増えるのかと思ったら、関東地方のヤブガラシは3倍体なので種ができないのだそうです。これは意外でした。地下茎でテリトリーの拡大を図っているので、一度生えると根絶が難しい「厄介な」植物とのこと。
このヤブガラシは、畑地と水路の境界に設置されたネットフェンスに絡みついたもの。人間には嫌われていますが、昆虫たちには大人気のようです。花が散った後に残る「花盤」(写真に写っている薄紅色の部分のこと)が大量の蜜を蓄えているからです。
ハナムグリの結婚式に立ち会うことも。招待状も頂戴していないのに。
これはコアオハナムグリ? 花盤の蜜を吸うのに我を忘れているようです。
繰り返しになりますが、薄紅色の部分が花盤。花盤の真ん中にろうそくの芯のように立っているのは雌しべです。
手前にオレンジ色の花がありますが、これは花盤になる前の姿。オレンジ色の部分の縁から伸びているのが雄しべです。
キイロスズメバチかな?
花盤は、蜜がたっぷりとは言うもののとても小さいので、スズメバチは花盤をひと舐めしては、また他の花盤に飛び移るので撮影が大変。
やっとのことでピントぴったり、良い写真が撮れた! と思った瞬間、ファインダーから消えていました。「残念、撮り逃した」と思っていたら、ピントこそ外れているものの飛び立ったところが写り込んでいました。あれまぁ、カメラ目線です。ちょっと怖い。
ナナホシテントウが花の近くにいますが、彼(彼女)は肉食系なので、蜜を吸いに来たのではなく、アブラムシを探しているのだと思います。
今日の散歩で出会った生き物たち 外来種と固有種と
マルバルコウ
元々は、江戸時代に園芸植物として日本にやってきたのですが、土質を選ばない強靭な生命力を持っているため、今では「雑草」の仲間入り。
ただし、当地で見かけるようになったのは、そう古い話ではありません。私が、「あれ、随分小さな朝顔が咲いているな。珍しいな。」と思ってから、あまり時間は経っていないはず。
環境省の資料を見ても、埼玉県に「侵入」してきたのは、そう遠い昔でないことが分かります。
元々、アメリカ大陸の暑い地方生まれなので、生育地を北に伸ばす過程で埼玉にやってきたようです。
ちなみに、「緑のカーテン」として人気のルコウソウは、マルバルコウに近い植物のようですね。
ダイサギとアオサギ
ダイサギ、アオサギが川越水上公園に来るのをさぼっていたわけではなく、私の水上公園周辺散歩が断続的だったために「久しぶり」だっただけなのですが。
ダイサギやアオサギは、一生懸命獲物を狙いますが、銛を使って魚を狙うのと似た漁法なので、どうしても空振りが多いようです。トロール漁船のように嘴でがっちり獲物をゲットするカワウに比べると、釣果は見劣りせざるを得ません。
でも、もう少し経てば、稲刈りが行われます。稲が刈られた後の田圃は、ダイサギやアオサギにとって入れ食い状態。隠れ場所を失ったカエル、アメリカザリガニ、ドジョウたちが右往左往しているからです。
タカサゴユリ
ユリ科ユリ属のタカサゴユリも、マルバルコウと同じように、園芸種として日本にやってきました。台湾から渡来したので「タカサゴ」なのかな。
葉は糸のように細いのですが、花は結構立派です。山百合など日本の野生百合が数を減らしているというのに、同じユリ科のタカサゴユリが生息域をどんどん広げ、今では「雑草」の仲間入り。最初に園芸種としてこの花を持ち込んだ人たちも、想像しなかった事態かもしれません。
先日、圏央道、中央高速を通った際にも、タカサゴユリが法面にたくさん咲いていました。
当地では、水上公園のプールの外構に群落ができています。
少し前までは、咲いていても無惨に草刈りされていたのですが、優しい愛好家が、
「綺麗な百合が咲くので草刈りの対象にしないでください。」
と群落付近に札を下げたことから、草刈りの対象から外れ、綺麗に咲いています。
ネット上にも、「花が綺麗なので、なかなか駆除されない」との記述がありました。
この花がなぜこれほど優勢になったかというと、花後にできる軽量で膨大な量の種が風に乗って四方八方に跳び散るからだそうです。
ヒヨドリジョウゴ
ナス科ナス属のヒヨドリジョウゴは、「山野草」として人気の高い植物です。
当地が純農村地代だった頃には、おそらく、ごく普通に見られたものと思われますが、今では、ほんの少ししか残っていません。
繁殖力旺盛な外来植物に囲まれながら、よく踏ん張って毎年花を咲かせ、実を生らせてくれるものです。
秋に実る赤い実が、本当に綺麗。
蓼科温泉共同浴場とナンバンハコベ
川越に帰ってきました。川越に帰ってくることを地元では帰川(きせん)と言います。そういう表現をする地方も多いと思いますが、だんだん「忘れられた言葉」になりつつあります。うろ覚えですが、井上ひさしさんの書かれた本の中に、井上さんのお母様がモデルの女傑が釜石で発行している新聞に、自分の息子が釜石に帰ってくることを「帰釜」と表現するくだりがあったような・・・。
それにしても「帰る川」かぁ。「帰らざる川」の方がかっこいいなぁ。マリリンモンローの歌も切なくて良かったなぁ。
でも、私の家は川越にありますので、「不帰川」だと、私、宿無しになってしまいます。ですから、かっこいい「帰らざる川」より、やはり「帰る川」に一票を投じておきます。投じても何もなりませんが。
今回の蓼科行きは、薬の副作用が「最高潮」の時に当たってしまい、お腹の調子がかなり悪かった上に、雨続きだったので、あまり写真の撮れ高はよくありませんでした。一眼レフの出番は、一度もありませんでした。
今日晴れていれば、周りにいろいろ「絵になる」ものがありそうな唐沢鉱泉に行こうと思っていたのですが、途中から未舗装道路ということもあり、残念ながら断念しました。また別の機会に行ってみたいと思っています。
ここは良いですよ。私たちは、蓼科に出かけた際には、最低でも一回は利用させていただいています。車の中に回数券を忍ばせているのです。
源泉が熱すぎることから、温度を下げるために加水していますが、完全なる掛け流し。湯口からは、いつも、勢いよく温泉がぼこぼこぼこぼこ湧き出しています。透明な温泉ですが、成分が良いのか、上がった後もぽかぽか。湯冷めしません。
入浴される方の大半は、地元にお住まいの方、別荘族の方。知り合いでも、知り合いでなくても、皆、あいさつを交わします。入浴ルールも厳格に守られていて、湯桶、椅子は、使用後、丁寧に洗って元の位置に返します。きちんとしているのです。
脱衣籠も、使用後は必ずひっくり返して帰ります。「ひっくり返し」は、籠の隅に忘れがちな小物などを忘れないで済む効果もあり、実に良い習慣だと思います。
シャワーはありませんので、髪の毛を洗うのは一苦労かも。
お風呂と脱衣場以外には何もないので、休憩室でのんびり、というわけにもいきません。湯上り後にのんびりしたい人は、温泉の向かい側にある元郵便局の喫茶店「銀のポスト」がおすすめです。
お湯の温度は高めです。熱いお風呂が苦手な人は大変かも。
私も、どちらかといえば温めのお湯の方が好みですが、熱めのお湯に入る時は、浴槽に入る前に十分に湯を浴びることとしています。肩まで浸かるのはほんのひととき、基本的には半身浴です。
この温泉は、入浴料が500円で、しかも掛け流しなので大好評。かなり遠くから車で入浴に来る人が多いのです。したがって、浴場前の駐車場の他に、二か所、広い駐車場があります。
そのうちの一つ、浴場の奥にある駐車スペース脇に、毎年、この植物が咲いています。
この植物に私が最初に出会ったのは、サハリン。1999年の夏のことです。
道端に咲いていました。変わった花の形なので、印象に残っています。
ご覧のように茎が細くなよなよしているので、自分だけの力では立ち上がることができません。
では、蔓性の植物なのかというと、蔓も持っていないのです。
そんな体たらくでは、地べたに這いつくばっていそうなものですが、どっこい、写真のように、ちゃんと空中で花を咲かせています。
じゃあ、どうして立ち上がっているの?
ごもっともなご質問です。実は、近くの植物にさりげなく寄りかかって生きているのです。図々しいようですが、人間にも、そういうタイプの人、結構見かけますから、この植物だけを批判するのはフェアではありません。それに、茎も葉も遠慮深げなので、寄りかかられた植物も、それほど気にしていないのではないでしょうか。聞いたわけではありませんが。
花の構造ですが、一番大きな薄い緑色の部分は萼です。萼同士がくっ付きあって釣鐘状になっているのです。
白くて小さな花弁は、立派な萼に比べ貧弱なのに、5枚とも虚勢を張ってそっくり返っています。その先で縮れていじけているのが雌しべで、その下にどんと控えているのが子房の部分。雄しべは、花弁の脇に見える白い筋のような部分、だと思います。
これは未成熟の実。本来5枚の萼がくっ付いているのがよく分かりますね。
雨粒を纏った姿が実に可愛らしい。
ご覧のとおり、熟すると黒くなります。
蓼科湖脇の水路に咲くオタカラコウが駄洒落を?
昨晩、友人と話をしていて、蓼科に来たのが昨年の11月以来であることを知りました。以前は二か月に一度は来ていたのに・・・。
そう言えば、例年ですと、春先から秋まで、オタカラコウの芽だしから地上部が枯れるまでの状況をカメラに納め続けていたような気がします。
今年は、最盛期を少し過ぎたオタカラコウに「昨年の初冬以来だね。」と声をかける仕儀と相成りました。ご無沙汰もいいところです。
「怒っていませんか、オタカラコウさん?」
「我輩が同じ所にオッタカラコウして会えるのじゃぞ。」
「ははぁ~、恐れ入りました~。」
50センチメートルほどの小さな株もありますが、大きく育つと2メートルを越えます。壮観です。
ツリフネソウにも出会いました。
虫が蜜を求めて花の中に潜り込むと、ブランコのようにゆらゆらと揺れます。まるでお伽の世界です。
実がパンと弾ける鳳仙花の親戚筋に当たるので、ツリフネソウの熟した実も、そっと触れるだけで勢いよく弾け、種が遠くに飛んでいきます。
(鳳仙花もツリフネソウも、ツリフネソウ科ツリフネソウ属です。)