カメラ目線のカマキリ?
カマキリにしても、イトトンボにしても、撮影後に改めて写真を眺めてみると、何故か必ずカメラ目線。
昆虫にとっては得体のしれないレンズが近づいてくるので、それを警戒し、じっとこちらを睨むのだろう・・・そう思っていました。
例えば、背中の方から迫った大カマキリの写真・・・
頭の部分をむりやり拡大してみると、
「黒目」がしっかりと私の方を睨んでいます。
「なんだよ、鬱陶しいなぁ。あっちへ行けよ、しっしっ!」
と言っているかのよう。
シャイな私は、写真の被写体となる際、オオカマキリと違って、なかなかカメラ目線で微笑むことができません。したがって、せっかくの眉目秀麗(どこが?)が台無し。こちこちに凝り固まった写真しか手元にありません。
少しは、オオカマキリを見習った方が良さそうだ、などと考えていたのですが、どうも肝心なことを忘れていたようです。
それは、オオカマキリの目が複眼であること。目の部分は小さな単眼の集合体であって、目の中に一つの眼球がある人間の目とは構造がまったく違うわけです。
したがって、目の中にぽつんと黒い点が見えるのを眼球と勘違いしてはいけなかったのです。
それでは「黒目」に見えるのは何かというと、カメラと水平方向にある単眼のいくつかが、光線の加減で他の単眼たちとは違った色として認識されるだけのことらしいのです。
このため、オオカマキリにしてもイトトンボにしても、どの方角から撮影しようとも、常に「目ん玉」でこちらを睨んでいるように見える・・・のでした。