冬のリンドウ 哀の迷い子
だいぶ前、山仲間3人で、養老渓谷の紅葉見物に行きました。房総の紅葉は12月なんですね。
その際、どういうわけか、人で賑わう養老渓谷のハイキングコースから外れてしまい、人も車も見かけない寂しい道に迷い込んでしまいました。日ごろ「山男」を自認しているくせにハイキングコースで迷うなんて、なんと恥ずかしい。
でも、道を間違えたことが幸いしました。道路脇の陽だまりに、すでに葉は生気を失っているものの、大きな花をつけたリンドウを見つけることができたからです。
その後、だいぶ大回りをし、時間もたっぷり使ってしまったものの、無事、車を置いた場所まで戻ることができました。
山仲間同士で、
「うん、うん、夏場に向けて良いトレーニングができた。」
と負け惜しみを言い、笑い合ったものです。
その時は、このようなミスは一度だけのことと思っていたのですが、この反省のなさが、その後、熱海市の伊豆山の宿が紹介する「とっても短い散策コース」でも迷うという大失態に繋がってしまうのでした。
宿お薦めの散策を終え、さあて温泉にでも浸かるべえやと、右に行ったら、あれれのれ。左に行っても、ありゃりゃのりゃ。面妖なことに、どちらに行っても車道に出ることができないのです。ここは八幡の藪知らずか?
山中を彷徨うこと暫し。
困り果てた私たち、携帯で宿に電話し、「私たちのいるとこ、どこでしょう?」と聞いたのです。間抜けですねぇ。
当たり前ですが、宿のスタッフの返事は、「分かりません。」
何とか自動車道に出ることができて、とぼとぼと宿に帰り着いた際、スタッフの人たちは、心配そうに「大丈夫でしたか?」と声を掛けてくださいました。くださいましたが、心の中ではくすくす笑っていたんだろうなぁ、そう思っています。
えっ?
「その時も反省しなかったのか?」
ですって?
いえいえ、それはもう猛省しましたとも。大反省です。
お風呂上りにビールを飲みながら・・・。
ただ・・・またどこかで迷うかもしれません。