アイノコセンダングサとヤマトシジミ
キク科センダングサ属の植物の種(正確には痩果)は、「引っ付き虫」として有名です。ワンコの体毛や人間の衣服などに種を引っ付け、他の場所に運んでもらって、勢力拡大を図ろうとする魂胆。
我が家の初代犬のカンちゃんも、二代犬コロちゃんも、秋から冬にかけての散歩で、センダングサやオナモミの引っ付き虫をいっぱいくっつけて帰ってきたものです。取るのが大変でした。
生れたばかりで迷子犬の運命だった弟犬コロちゃんは、放浪時代に苦労した経験があるものですから、独立心が旺盛。
「僕は、自分で取るよ。」
せっせと毛繕いを始めるので、私は、彼が取り残した引っ付き虫を始末するだけで済みます。悪戯者で何かと手を焼かされましたが、こういったことに関してはたいしたものでした。
おっとりと育った長男犬のカンちゃんは、
「こやんぴ、取ってぇ。」
と、甘えるばかり。
どちらも、かわいい。
カンちゃん、コロちゃんとの楽しい思い出の数々は、今でも、私の心のオアシスとなっています。
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今、入間川の堤防上では、アイノコセンダングサが大群落を形成し、ワンコや人間に種運びの手助けをしてもらうべく、引っ付き虫生産の前段階として、花をたくさん咲かせています。
アイノコセンダングサは、コセンダングサとコシロノセンダングサ(シロバナセンダングサ、シロノセンダングサとも言うようです。)との雑種とされていますが、3種合わせてコセンダングサと称することもあるようです。
コセンダングサには、舌状花(私たちが、普通、「花びら」と言っている部分です。)がなく、黄色くて目立たない管状花の集まりでしかありません。
これに対し、コシロノセンダングサには、管状花の周囲に舌状花が5~7片あるので、野菊らしい雰囲気をもっています。
アイノコセンダングサは、その中間。花によって、舌状花があったり、なかったり。コセンダングサとコシロノセンダングサの両方に愛想を振り撒き、曖昧に生きております。
《 この花は、申し訳程度に舌状花をつけています。かろうじて舌状花ではあるものの、管状花との中間タイプといった感じの曖昧なものもありますね。 》
《 こちらは、それなりに舌状花をつけていますが、どこか中途半端。 》
蜜を求めてヤマトシジミがやってきました。
《 もう、種になりかけの花に止まっています。 》
《 ヤマトシジミは、目力が半端なくありますね。縞々触覚も素敵です。 》