「出藍の誉れ」ならぬ「卵鞘の誉れ」
我が家の庭のウメモドキとアジサイに、オオカマキリの卵鞘(らんしょう)が合計で3個も!
発見した時は、
「こんな近くに雌のオオカマキリが3頭もいたのか!」
と驚いたのですが、ネット検索したところ、1頭の雌が数個の卵鞘を作るのだそうな。二度びっくり。
さらに驚くことには、一つの卵鞘に200から300もの卵が詰まっているのだとか。
親が面倒を見てくれる昆虫と違い、カマキリは最初から一頭で生きていかねばなりません。当然、生き残り競争は厳しくなります。たくさんの卵を産むのは、そういったことを本能で見越してのことなのでしょうね。母カマキリにできることは、冬に寒さから卵を守るために暖かいダウンコートを着せてあげることくらいのもの。
関東地方で見かけるカマキリは、オオカマキリかチョウセンカマキリである場合が多いんです。ところが、この2種、実によく似ています。見分け方はあるものの、庭や野原でばったり出くわしたときには、
「あれれ、どっちだっけな?」
と迷ってしまいます。
それなのに、卵鞘を見ただけで、
「オオカマキリの卵鞘を見つけた!」
と言うのは早とちりでは、と思う方もいらっしゃるでしょうが、実は、卵鞘の形は種類によってまったく違うんです。
そんなわけで、我が家の卵鞘がオオカマキリのそれであることは、山野の自然と戯れて育った田舎育ちの人間には即座に分かるものなのです。
オオカマキリとチョウセンカマキリの微妙な違いは分からなくても、大雑把なことにはやけに詳しい野性児、恐るべし!
閉鎖花の果実も確認!
昨日は、開放花の咲いているホトケノザの茎をチェックしていたところ、果実がぽろぽろ落ちてきた、ということを記しました。
今日は、開放花の咲いている茎と、開放花の見られないそれを比較してみました。
まずは、開放花の見られないものを振ってみると・・・
あっ、何かがこぼれ落ちました。
そちらにピントを合わせてみましょう。
昨日の果実よりもちょっと痩せてはいるものの、明らかに果実です。
この写真ではなく、一枚前の写真をよく見ると、閉鎖花を確認することができます。
この株にはまだ開放花が咲いていないので、閉鎖花の果実の可能性が高いと思います。
次に、開放花の咲いている株を一振りすると・・・
微妙なところですが、真ん中の物体は、開放花の蕾かな? それとも、咲き終わった後? はたまた閉鎖花? 大きさからすると、前二者のうちのいずれかのような気がしますが、自信ありません。
右側の物体は、閉鎖花の果実と思われます。
ホトケノザが大群落を形成しているところをよく見かけますが、この生命力の強さを知ると、さもありなん、そう思います。
うん? ぽろぽろ零れ落ちるだけの果実だとすると、種は遠くに飛んでいかないですよね。それで、大群落になるのかい?
そう思いますが、この果実は、アリさんの大好きな物質を分泌するようです。アリさんに運んでもらうことによって、遠くまで子孫を派遣することができるとか。すごい!
まだまだ続くホトケノザの話
私は、ホトケノザの写真をこれまで何回も撮りましたが、せいぜいこの角度から。
このため、花の頭の内側にちらっと見えている濃い赤紫のものに気がつきませんでした。
カメラの位置を下げて写した写真を見て、初めて分かりました。
雄蕊がここまで伸びていたのですね。赤紫色の部分は葯のようです。
自分的には新発見。
今日、野辺の花を摘んできて、しげしげ眺めてみたら・・・
おお、やっぱり、雄蕊がすっと伸びて、花粉をたっぷりと蓄えているのであろう葯をはっきりと確認することができました。
今回は、花を分解して、雌蕊の位置を確認することをしませんでしたが、おそらく、雌蕊は花の奥深くにあるのでしょう。次の機会に確認してみたいと思います。
一回で済まさないで、申し訳ありません。
実は、もう一つの発見が。
上の写真を撮るために、タブレットの上に花茎を寝かせていたのですが、そこからこぼれ落ちた豆粒のような物体が目に入ったのです。
どうやら、これが果実のようです。
開放花の果実なのか、閉鎖花のものかは、まだ分かりません。
果実についても、今後、観察を続けたいと思います。
ホトケノザの閉鎖花(訂正)
ホトケノザは、ロバのように愛らしい形の花(開放花)が咲くことでよく知られています。
ところが、ホトケノザには、この開放花の他に、開花することなく自家受粉を遂げ種をつくる「閉鎖花」があります。
私は、数日前に、すぐ下の写真に写っている赤い玉のようなものを「閉鎖花だ」と記してしまいましたが、それは間違いでした。
これは開放花の蕾。
実際の閉鎖花は、開放花の蕾よりずっと小さなものでした。
下の写真をご覧ください。葉の陰に隠れている先っぽがぽつんと赤い物体こそ「閉鎖花」なのでした。
開放花ですらほぼ一年中咲かせるホトケノザですが、さすがに寒すぎるので開放花がまず咲かない真冬でも閉鎖花は健在でなのだそうです。開放花と閉鎖花の連携により、一年中、仲間を増やす努力を欠かさないとは、なんという生命力なのでしょうか。