燕尾服を着たチョウ
ツバメシジミという名のチョウを知ったのは、昨年の6月、ネジバナを撮影している際、このチョウがファインダーの中に飛び込んできたから。
その時は、初めて見るチョウなので、珍しいシジミチョウなのかと思っていたのですが、ごく普通にいるチョウらしい。遠くから見るとヤマトシジミに似ているので、私は、ずっとツバメシジミを見ていながら、ヤマトシジミだと思い込んでいたのかもしれません。
この写真を撮った日も、ヤマトシジミだと思ってシャッターを切ったのです。
でも、よく観察してみると翅の後方に「燕尾」のような突起があるではありませんか。翅の色からみて、ツバメシジミの雄のようです。
ちょうど花盛りを迎えたカラスムギにとまっています。
この間はベニシジミを撮影しましたが、ベニシジミの幼虫の食草はタデ科、ヤマトシジミのそれはカタバミ、そしてツバメシジミはマメ科の草を食べて育ちます。
シジミチョウの仲間は、幼虫も、蛹も、とってもよく似ているのに、種の間で食草をきれいに分け合っているのですね。
白いムラサキサギゴケを「サギゴケ」と呼ぶべきか、それとも・・・
入間川の土手の決まった一角に、毎年、ムラサキサギゴケの白花の群落が生じます。
ムラサキサギゴケの白花は、出現率が高く、決して珍しいものではありません。でも、この場所では、毎年、薄紫色のムラサキサギゴケと、白花のムラサキサギゴケが、それぞれごく近くに、別のグループを作って共存しているのが「面白いなぁ」と思っています。
ところで、ネットに、「白花のムラサキサギゴケを『サギゴケ』と呼ぶことがある」といった趣旨の記述があったように記憶しています。確かに、白花の方が「白鷺」が飛んでいるように見えますので、「サギゴケ」と言って良さそうですが、そう呼ぶと別種のようなニュアンスが出てきてしまいます。
とは言うものの、「ムラサキサギゴケ」は、わざわざ「ムラサキ」を頭に冠しているので、「ムラサキサギゴケの白花」という表現も、「白を黒と言いくるめる」ような気がして、どうもすっきりしません。
白いムラサキサギゴケを基準にして、種全体を「サギゴケ」と称し、薄紫色のサギゴケを「ムラサキ色のサギゴケ」と呼ぶ方が腑に落ちるような気がするのですが、薄紫色の個体が大半を占めるので、そうもいかず。
シランにも白花があるのだから、どうでも良いような話です。こやんぴ、何を悩んでいるのでしょうか。暇なのですね。
令和元年初日の脱皮エレキバ~ン
(幕が開くまであと少し。観客たち、ざわざわと騒がしい。)
何でしょうか? このタイトル。
確かに今日は令和元年初日。そこまでは分かる。
その後が分からない。「脱皮」? 元号が変わったことをそう表現したのか? ちょっと表現がまずくはないか。
「エレキバ~ン」??? なんじゃそりゃ。
もしかして、「脱皮」と合わせ、往年の名(迷)コマーシャル、「ピップエレキバン」の真似? それでも意味不明。
(するすると幕が開く。こやんぴ、上手より登場。かなり上機嫌。)
いやぁ、今日も良いものを見ちゃったなぁ。去年は4月の中旬に出くわしたので、今年はもう見られないものとばかり思っていたけれど、去年の春が暖か過ぎで、今年が寒すぎだったのが良かったのかもしれない。
(下手から、声がかかる。まだ姿は見えない。)
ねぇねぇ、こやんぴ、「良いもの」って何さ。
おお、じゃがりこ君、お久しぶり。「良いもの」っていうのは、あくまでも僕にとってであって、じゃがりこ君は興味ないと思うよ。
そんなもん、見てみなければ分からないじゃないか。
(ここで、じゃがりこ君登場。右手には、「川越限定 サツマイモ味じゃがりこ」の箱を抱え、ポリポリ食べながら。行儀の悪さ満杯。)
じゃあ、ついておいでよ。でも、腰を抜かしても知らないよ。
{じゃがりこ君とこやんぴ、連れだって上手に去る。暗転。)
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この方式だと、無駄に長いブログになってしまうので、ここでやめておきます。
今年も会ってしまいました。この虫に。
ごちゃごちゃ集まっているこの虫の名は、ヨコヅナサシガメ。
ただし、これは幼虫。幼虫の間は、集団生活を営んでいます。
体の大きい方が成虫。成虫になるとグループから離れ、単独行動に移ります。
目を凝らすと、成虫の上の方に、脱ぎ捨てた幼虫時代の外骨格が見えます。
ピントが合っていないのはご容赦、それにしても、これはまた、随分鮮やかな。先ほどの黒いのが雌で、派手なこっちは雄なのかな。
最初は、私もそう思いました。動物界では、雄の方が派手、というのは、よくありますものね。
実際は、これ、成虫に脱皮直後の姿なのです。
口吻が折りたたまれていますが、捕食時には、これを毛虫や芋虫にぶっつりと刺すのです。そして、相手の体内に消化酵素を注入。どろどろに溶けた犠牲者の体液をチューチュー吸うのです。それで、刺すカメムシ・・・サシガメ。
「ヨコヅナ」は体の周りのピアノの鍵盤のような模様が、白鳳が土俵入りの時に巻いている「横綱」に似ているから。
「脱皮」したサシガメに刺された相手は、「バーン」と電気ショックを受けたような症状になるのでは・・・それで、脱皮エレキバ~ン。くっ、くっだらね~。
去年の春はとても暖かだったので、数週間前に脱皮していましたが、今年はことのほか寒かったので、脱皮も遅めだったようです。
去年は春が駆け足だったのだけれど・・・
去年の春は、本当に駆け足でした。
ソメイヨシノは3月中に散ってしまいましたし、ニセアカシアの花も、連休前に盛りを過ぎていましたっけ。
去年の写真と比べてみると、
ヒトツバタゴ(なんじゃもんじゃの木)は、昨日の段階で、まだ蕾。
ところが、去年は、4月22日の段階で、こんな具合に咲いていました。
ニセアカシアも、今年はまだまだですが、昨年は23日でこのとおり、ほぼ満開です。ゴールデンウィークを待つまでもなく散っていきました。
センダンの花も、今日見てきたところ・・・・・・
ご覧のとおり、まだ蕾が固い。
ところが去年の今ごろは、いまにも咲きそうな状況となり、下の写真のとおり、5月初めには咲き始めていました。
もっとも、この花の開花期間はかなり長めで、咲き始めから満開まで10日以上はかかります。したがって、今年は、連休中は蕾の膨らむのをわくわくしながら観察し、連休明けからの10日間ほど、花樗(はなおうち、センダンの花のこと)とのふれあいを堪能することができそうです。
隣の空き地は野草園
そろそろ、草刈りが必要かもしれない隣の空き地。
キツネアザミやショカッサイ、ハルジオン、ノゲシ、ナズナ、オニタビラコ、イヌナズナ、ハハコグサ、キュウリグサ、トキワハゼなどが咲き誇っています。
キツネアザミのうち、数個体は、石化現象を生じているのでしょうか、2メートル以上に育ち、頭頂部に無数の蕾を着けています。
《 このキツネアザミ、2メートルを優に越しています。 》
今では、ハルジオンやヒメジョオンを生やしたままにしていると、「あの家には貧乏草がいっぱいある。」などと言われてしまいますが、これらの花は、最初、園芸品種として日本にやって来たのです。
上のハルジオンも、園芸種だった頃の気品が漂っていると思いませんか?
環水平アーク 見たかったなぁ
長野県のかなり広い範囲で、くっきりとした環水平アークが見られたそうですね。
見たかったなぁ。
茅野の友人は、家族でわいわい言いながら見たらしくて、写真を送ってきてくれました。うらやましい。
条件の良い地域では、同時にハロも見えた(しかも二重に!)とか。
いつか、見てみたい。
これは何か分かりますか?
そう、オニグルミの雄花です。
では、次の写真は?
雄花は、クルミの木からたくさんぶら下がるので、多くの人が知っていますが、意外にしられていないのが、この雌花。
シンプルな構造の上に小さくて、しかも、新芽の天辺に咲くので、目立たないんですよね。
雄花から飛んでくる花粉を、この小さな花の赤い部分でキャッチするのです。
ちょっと粘っているので、がっちり花粉を捕まえられるというわけです。
面白いことに、同じ木の雄花と雌花の咲く時期は、同時ではありません。
木ごとに微妙に雄花と雌花の咲く時期をずらして、自家受粉を避ける工夫がなされているようです。
ムラサキケマンのパチパチ攻撃!
我が家の庭に侵入し、少しずつ勢力を広げつつある草、それがムラサキケマン。
「まあまあ綺麗なので、花の咲くのを許しています」とは、言い訳以外の何ものでもありません。ずぼらなので、気が向かない限り草むしりをしない、というのが本当のところ。
そのようなわけで、あちらこちらでムラサキケマンなどの「いわゆる雑草」が、我が家の庭では幅を利かせているのです。
ヤマエンゴサクの親戚筋にあたるのですが、生命力の強さは、ムラサキケマンの方が格段に勝ります。相撲で言えば、序の口と横綱ほどの差。てんで勝負になりません。
不思議なことが一つ。
この植物は、群落をつくらず、ぽつんぽつんといろいろな場所に実生が生じるのです。なんでなのだろう?
一昨日、実を結んだムラサキケマンを引っこ抜く作業をしていて、その謎が解けました。
えっ、みんな知ってる? 知らなかったのは私だけなのか。
これが、ムラサキケマンの実です。
この状態になっていた株を、一昨日は抜いたのでした。
そうしたら・・・
痛いのです、顔や手などが。
パチパチパチ。
音まで出ています。銃が乱射されたかのよう。いてててて。
・・・というほど痛くはありませんが、最初、何が起こったのか分かりませんでした。
なんと、ムラサキケマンの実は、ホウセンカやツリフネソウのように、ちょっと触ると、あっという間にはじけ飛んでしまう類のものだったのです。知らなかったなぁ。
ひとつ前の写真と違っているのは、こちらの写真が、実にそっと手を当てた直後であるということ。多くの実が、爆発するように弾けてなくなっています。
種が四方八方に跳んでいったのですね。これでは、あちらこちらに増えるはずです。
何のことはない、今年は、子孫繁栄のために、私が種まきをお手伝いした格好です。