軽井沢博物散歩 昆虫編
トックリバチ
昨週の軽井沢行きは、以前にも記したとおり、植物や菌類、昆虫の観察がメインの目的ではなく、かつ短時間だったので、成果の乏しいものでした。
特に、昆虫は貧弱ですが、敢えて、当日、出会った順にご紹介します。
軽井沢銀座から万平ホテル方面へ向かう細い道沿い、数々の山野草を育てていらっしゃるお宅の入り口付近に、風に揺れるオミナエシの花を見つけました。
いつも後で反省するのですが、私は、どうして何枚も撮ることをしないんでしょうね。今回も、たったの1枚しか撮りませんでした。
せっかく、黒いハチが飛んできたというのに・・・
腰がきゅっとくびれたべっぴんさん。トックリバチです。
くびれたおなかが徳利に似ているから、トックリバチ・・・なのではありません。
「そんなことは、とっくり知っている!」
そうですよね、失礼しました。
名前の由来をとっくりとご説明するまでもなく、子育てをする揺り籠、餌の芋虫をたっぷりと詰め込んだ幼虫のための巣が、徳利にそっくりでびっくりなのです。徳利状の小さな巣は、灌木の葉に隠れた小枝などに営まれることが多いので、実際にご覧になった方は多くないかもしれません。私が見た巣の出来栄えは、轆轤(ろくろ)を使って丁寧に仕上げたような見事なものでしたが、素人がこねくり回していびつに仕上げたようなものも多いようです。
注意を要するのは、初夏の頃、木の枝などに野球のボール大の、口の部分が下を向いた徳利状の巣があった場合。
「うわぁ、特大のトックリバチの巣だぁ。」
と大喜びをしてはいけません。それはスズメバチの初期段階の巣。ご用心ください。
さて、トックリバチの写真が1枚だけで残念なのは、ピントがハチに合っていない上に、一方向からの写真であるために、種を確定できないからです。
ミカドトックリバチのように見えるのですが、いかがでしょうか?
アキアカネ
万平ホテルの植え込みに、アキアカネがとまっていました。
雌でも背側が赤くなる個体がいるため断定はできないのですが、これは赤が濃いので雄かな?
赤トンボには、ナツアカネという別種が存在します。とてもよく似ているので、ちょっと見ただけでは区別がつきませんが、胸の黒い模様が上まで伸びているかどうかで判別可能です。この固体は、上まで延びているのでアキアカネ。
こちら(下の写真)は、おそらく雌のアキアカネ。両目が繋がっているため、どことなくユーモラス。
カメムシの幼虫
ビヨウヤナギに黒い点のような昆虫がいたので、撮っておきました。拡大してみると、黒ではなく、緑色のカメムシでした。
米粒よりも小さいので、まだせいぜい二齢の幼虫です。カメムシは不完全変態なので、孵化した段階からカメムシではあるものの、困ったことに成虫とは姿かたちが異なるのです。
成虫については、図鑑で何とか種名に辿り着くことができますが、幼虫の写真や図の掲載が少なく、お手上げです。