ヨコヅナサシガメの脱皮直後を見た!
今日の午前中、地域のグラウンド・ゴルフの練習に参加。
こやんぴ、集中力が欠如しているため、下手なんですけれどね。
練習場にソメイヨシノの大木が数本あります。とうに花の時期は終わり、実のつくことのない花柄が大量に散り落ちていました。ソメイヨシノにも実がなることはありますが、それは、ほとんど、近くに他の種類の桜があるときに限られています。
ソメイヨシノは自家受粉が起こりにくいので、江戸時代の腕の良い植木屋さんでも品種固定ができなかったんですね。それで、接ぎ木で増やすしかなく、日本国中、すべてのソメイヨシノが同じ遺伝子というわけ。つい最近、NHKテレビでも取り上げていましたね。
そのソメイヨシノの人間の目の高さの所に、面妖な虫が・・・
カメムシの仲間だとは判断できるのですが、私が子どもの頃には見たことのない虫(むし)。虫だからといって、見ていたのに無視したということはないと思います。こんな変てこな虫がいたら無視できず、記憶しているはずですから。
断言します。子どもの時にはいなかった種類。
「簡単に断言するなんて『むし』がよすぎる。」
というご批判は、スルーさせていただきます。むし、むし。
またも外来種か、と思ったらそのとおりでした。
ただし、この横綱、江戸時代最末期には国内で観察されているとのことで、平成に入ってからの新参者ではありませんでした。
ということは、やはり私こやんぴが子供の頃から「ぼけ~」としていただけなのか、というと、まあ、「ぼけ~」としていたことを否定はいたしませんが、それだけではなかったようです。
関東に現れたのは1990年代だとか。
ああ、その頃ですと、私は、40台。
40台、50台の頃の私は、これでも仕事が忙しかったものですから、桜の木の幹を「ぼけ~」と観察する暇はありませんでした。ですから、じいじになってから「初見だ」と言っても許していただけるかと・・・。
えっ、「許してあげない」ですって? そんな~。
実は、抜群のタイミングで目にしたので、お許しをいただきたいと思います。
黒い虫と、赤い虫が同居していますよね。さて、なぜでしょうか?
「動物は往々にして雄の方が派手な衣装を着ているというから、この虫も、黒が雌で、赤が雄とかいうことじゃないの?」
なるほど、あり得る話ですね。私も最初はそう思いました。でも、違うんですよ、これが。
写真をもう一度よく見てください。
画面では赤い虫の上方に、少し小さい黒い虫が見えます。
これは幼虫。縁の模様が白、黒、白、黒になっています。
ところが赤い虫の腹部の縁の模様は、白の部分が多く、黒の部分は少なくなっていますよね。まるでピアノの鍵盤。これが成虫である証のようです。
実は、赤くなっているのは、「脱皮後、外骨格(体の表面)がまだ固くなる前だから」らしいのです。
つまり、成虫になりたての「赤」ちゃん。
直に黒くなるということなので、私は脱皮直後のヨコヅナサシガメの成虫を見たことになります。運が良かったかもしれません。
すぐ上の写真ですが、右上の個体(少し赤黒くなり始めています。)の横と下に、ごみのようなものが見えますが、これは、抜け殻。
左下の黒いピアノ柄の個体(全身が写真に納まっていませんが。)は、もう外骨格が固まり黒装束となった成虫。
「ヨコヅナ」は「横綱」、これは、腹部から張り出した白黒の模様が大相撲の横綱の化粧まわしのようだからとのこと。
でも、化粧まわしは、横綱だけではなく関取もしめますからねぇ。もしかしたら、白黒模様が横綱だけがしめることを許される「横綱」に似ているから、かも。
白黒模様の「横綱」っていうのもおかしいから、こやんぴ説よりも、化粧まわし説の方が無難かな?
「サシガメ」の「カメ」は、カメムシのカメ。
では、「サシ」は?
これがものすごい。
ヨコヅナサシガメは、幼虫も成虫も肉食系。
毛虫などを餌にしているようです。でも、パクパク食べるのではなく、頭の先についている突起を獲物に突きさし、そこから獲物に消化酵素を注入の上、獲物の体の中をどろどろに溶かしてしまうらしい。
そして、その液体をチューチュー吸うんだとか。ひぇ~、吸血鬼ドラキュラじゃあ。
ぶっつり刺すので、サシガメなんですね。
つくづく思いますが、人間と同じ大きさのサシガメがいなくて良かったですね。