小笠原のシカクマメ
私がシカクマメを知ったのは、もう10年以上も前のこと。
今は店じまいして無くなってしまったのが残念ですが、近所の手打ち蕎麦屋の奥様から、
「これ、珍しいでしょ?」
とのメッセージ付きでいただいたのが最初。
一度機会ができると、すぐにまた巡り会うもののようで、その直後、部下の一人が、小笠原への研修旅行に出かける際、竹芝桟橋まで見送りに行った際に、小笠原海運のみやげ品売り場で、「小笠原名物・シカクマメ」として売られているのを見かけました。
今でも、販売しているかもしれません。
シカクマメは、莢に四つの稜があるので、横にスライスすると四角形になります。それで、四角豆。
熱帯アジアが原産で、日本では、1960年代後半に亜熱帯気候の沖縄や小笠原で栽培されるようになったそうです。熱帯アジアでは、葉も、花も、さやも、種子も、さらにはイモまでも食べるらしいですよ。でも、日本では、花は食べることもあるようですが、若い莢のみを食べるのが一般的だとか。
何週間か前、散歩の途中に、スカイブルーの豆の花が畑の中に咲いているのを見かけました。
清々しい色ですし、五百円玉よりも大きな花だったので、
「おや、何という豆だろう?」
と思ったのですが、特に調べもしないでおりました。
今朝、その畑の脇を通りかかったところ、莢がぶら下がっていました。
(最初、「ぶら下がって」と書くべきところ、キーボードで「ぶるさがって」と打ち込んだところ、IMEが漢字変換をサボタージュし、ひらがなのまま。
「おかしいなぁ」と思い調べたところ、「ぶるさがる」は「ぶら下がる」の関東方言だったんですね。あっちゃぁ、まったく気づかずに何十年も使い続けていました。
うん? 浜松でも「ぶるさがる」なんだ! 皆様の地方ではいかがですか?
考えてみると、総理大臣の周りに記者が張りつき、総理大臣と記者たちがぞろぞろ歩きつつ受け答えしている状態のことを「ぶら下がり取材」とは言いますが、「ぶるさがり取材」とは言いませんね。
あれれ、こやんぴは、意識せずに「ぶるさがり取材」と言っていたかも。)
「シカクマメの花だったんだ!」
近年は、当地でもホームセンターなどで容易に苗が入手できるようになっていたんですね。品種改良が重ねられ、亜熱帯でなくても育つようになったようです。
改良されたとは言うものの、もともとが熱帯産ですから、冷夏の年には育たないこともあるようですが。私の好きなタイプの「青」ですし、その上、花も莢も食べられるとのことなので、育ててみたくなりました。
「来年は、道路側の塀に絡ませて、行き交う人に『へぇ』と言ってもらうのも素敵だな。」
そう思った次第です。