「こやんぴ」のぶらりお散歩ブログ

お散歩大好きの「こやんぴ」が、ふと出会った植物や動物たちについて思いつくままに記していきます。

水に浸かったツルボたち

 昨日の朝散歩については、すでに、台風21号が川越を直撃しなかったにも関わらず、樹木が台風による強風被害を受けたことを記しています。

 

koro111koyampi.hatenablog.com

 

 公園を一回りして、修景池の端に生えているツルボを確認に立ち寄ったところ・・・

 

 ツルボは、堤防の上や林地の境などで見かけることが多いので、水性植物状態に陥った個体に出会うとは思ってもみませんでした。

 

 珍景と言えば珍景と言えそうですが、ツルボにとって迷惑千万な状態であることに間違いありません。

 台風縁辺の雲が降らした雨で、修景池の水位が上がったんですね。

 ずっとこのままの状態が続くと球根が腐ってしまうでしょうが、ぐんぐん排水しているので、水位はすぐに下がることでしょう。

 

 台風も、こんな小いたずらをしただけで去っていってくれれば言うことなしなのですがね。

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 この際、ツルボについて調べてみたところ、ある事実が判明しました。

 

 これまで私は、ツルボは、葉を数枚出しただけで花をつけ、種を結ぶとさっさと地上部を枯らしてしまうので、

「ずいぶん効率的な炭酸同化作用をしているのだなぁ。」

と感心していたのです。

 

 春先、背の高くなるほかの植物が目を覚ます前に、さっさと芽を出し花を咲かせる、ヤマエンゴサクのような小さく可憐な植物たち、いわゆる「春の妖精」と同じように、「秋の妖精」的な存在なのかな、そう思っていたのです。

 

 ところが、この植物は、ちょっと変わっていて、春先に葉を茂らせるのですが、夏前に、その葉を枯らして夏休みに入ってしまうのだとか。そして、9月の声を聴くと、二度目の葉を、今度は数枚だけ出して、その間から花穂を立ち上げる・・・

 

 へぇ、葉が年に2回出るんだ! 乳歯と永久歯? ちょっと違うかな。

 

 待てよ、そうすると一度目の葉って、もしかして・・・

 

 春先に、元気に葉を茂らせるけれども、花を咲かせることもなく、いつの間にかなくなってしまう植物があって、

「何なんだ、こりゃ?」

と不思議で不思議で仕方がありませんでした。

 

 幸い、今年の春先に写真を撮ってありました。

 それが、下の写真。元気そうな葉っぱでしょ、すぐにも花が咲きそうな雰囲気がありますよね。でも、咲かないんですよ。だから、私の頭の中では、ずっと「名無しの権兵衛草」。

 

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《 今年の3月に、入間川の河川敷で撮影したものです。 》

 

 ところが、この草こそ、春から夏前にかけてのツルボの姿だったのです。

 

 知らなかったなぁ。

 転んでもめげない根性草だなぁ。七転び八起き草だなぁ。

 ちょっと違うかな。

 

 でも、夏の間一時姿を消して、秋の到来を告げるように、清々しい色の花を咲かせるなんて、ツルボさん、味なことをするものですね。

 夏休みをとるのは、ツルボさんなりのご事情があるのかもしれません。他の夏草と背伸び競争するのがアホらしいとか・・・

 

 いずれにしても、謎の草の正体が分かって、とてもうれしいこやんぴなのでした。

 

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《 これは、庫出し写真。遠くに見える白い花は、センニンソウです。ツルボにピントがいっておりませんので、拡大することなくご覧ください。 》

 

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《 これも庫出し写真。ヒガンバナの蕾との競演です。 》

 

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《 これも同様、庫出し写真。ツルボは、上の方まで咲き切らないうちが見ごろ。 》