地に張りついて咲く花
薬の副作用で、体に力が入りません。
明日あたりからは、大復活を遂げると思いますが・・・
夕焼け散歩も、今日はお預け。
日没後、家の外から眺めた西の空は、太陽光が塵に散乱されて茜色。
良い写真が撮れたかもしれなかったのに、残念です。
写真は、キランソウ。
地面に張りつくようにして咲くシソ科の春の花。
草丈は伸びないし、花も小さめ。
だから目立ちません。
でも、近づいてみると、濃紫の花のなんと艶やかなこと。
「やんごとなききはにはあらぬが」、紫式部や清少納言のように才長けた女房のような気品すら感じます。
目立たない、と書きましたが、昔の人は、この草をとても重宝していたようです。
煎じて飲めば、様々な病気を鎮めることができると信じていたとか。
そこで、別名が、「地獄の釜の蓋」。
え? 「それじゃあ、薬ではなく、毒薬では?」ですって。
人を閻魔さまのもとへ引き連れていく毒の草?
そうではなく、大事な人が重病になって、
「もう危ない。」
「閻魔さまの所に連れて行かれてしまう。」
と心配しつつも、この草を煎じて飲ませれば・・・
あら不思議、あんなに苦しんでいた重病人が、
ケロッとした顔で起き上がり、
「いやあ、変な夢を見たよ。閻魔さまの前に連れて行かれてね。」
ふんふん。
「煮えたぎった釜に放り込まれそうになったんだよ。」
おやおや。
「ところが、私に、誰かが何かを飲ませたんだな、その時。」
そりゃあ、あたしだよ、お前さん。
「おお、そうだったのかい、ありがとうよ。」
それでどうしたのさ?
「鬼ども全員が、手を横に広げて、オー、ノーって言うのさ。」
鬼って外人かい?
「顔が赤いのや青いのがいたから、少なくとも、日本人じゃあねえな、ありゃあ。」
あれまあ。で、それから先は?
「鬼たちは、『あああ、これじゃあ、俺たちの仕事もあがったりだぜ。』ってぶつぶつ言いながら、釜の蓋を閉じちまったんだ。」
(影の声 へ~え、鬼たち、日本語を話すんだ!)
それから、それから?
「閻魔さまがこう言うのさ。『これ、こやんぴ、その薬を飲まれては、我々の出番はなしじゃ。帰ってよいぞ。あああ、暇になっちゃったなぁ。儂も、もう寝ちゃおうかなぁ。』。」
・・・という訳で、どんな重病になっても、この薬さえあれば命が助かる、地獄の釜も出番がなくなり蓋がされてしまう。それで、「地獄の釜の蓋」。良い意味の命名だったんですね。
こやんぴも、今日あたりは、キランソウを煎じて飲みたいところですが、現代科学は無情なもので「薬効成分は特にない」とか。
閻魔さまも寝ちゃうそうですから、こやんぴも、もう寝ちゃおうかなぁ。