ユキノシタ そう言えば井戸端に咲いていましたっけ
庭でユキノシタ(ユキノシタ科ユキノシタ属)が咲き始めました。
よく見かける花ですし、派手さもありませんが、なぜか心惹かれます。
打ち上げ花火のようにぱっと広がっているし、花弁のうちの2枚だけが大きくて髭を生やしているお爺さんのよう。葉の縞々模様も面白い。
我が家のユキノシタは、実家から持ってきたものだったのか、我が家の前の持ち主が植えたものだったのか、記憶が曖昧です。
はっきりしませんが、私の気に入っていた草木にお引越しをお願いした経緯がありますので、実家由来の可能性があります。
ユキノシタの別名の一つに「イドグサ」というものがあります。「井戸草」という意味なのかな、と当たりをつけて調べてみたら、そのとおりでした。
子供の頃、私の実家には深い井戸がありました。冬暖かく夏冷たい水は、まさに甘露のように美味しかったと記憶しています。
井戸の周りは常に湿っていて、そこにたくさん咲いていたのがユキノシタ。
それもそのはず、ユキノシタは元々山地の湿った場所が自生地なんですって。井戸端は、ユキノシタにとって最適な環境だったのですね。
最初に述べた花や葉の特徴の他、ランナーを伸ばして、その先に新しい株ができることなど、井戸端に咲くこの花の「不思議さ」に子供の頃に接したことが、今でも植物に興味を持ち続けていられる理由なのかもしれません。