「こやんぴ」のぶらりお散歩ブログ

お散歩大好きの「こやんぴ」が、ふと出会った植物や動物たちについて思いつくままに記していきます。

一倍体、二倍体、三倍体・・・

 エゾタンポポは三倍体から十一倍体まで存在することにびっくりしたこの私。「植物ってすごいなぁ」と思っています。


 ところで、動物の世界ではどうなのでしょうか?

 動物は、原則として二倍体。お父さんとお母さんからそれぞれ一対のゲノムを受け継いでいるのが普通。植物のように多様ではありません。
 とは言うものの、「原則として」なので、例外は存在します。
 ハチ類の中には、未受精卵から発生するものが存在し、しかも、そのすべてが雄。受精卵はすべて雌となります。つまり、雄は一倍体で、雌は二倍体。

 

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 信州に旅行すると、旅館やホテル、レストランで供されるのが「信州サーモン」。これは三倍体で、雌しか存在しません。信州サーモンばかりではなく、三倍体、四倍体の淡水魚は各地の水産試験場などの手で、人工的に次々と誕生しているようです。

 日本水産学会のサイトに「子ども水産大学」という興味深いページがあり、三倍体の魚について分かりやすく解説されています。
 どうも、一部の魚の受精卵は、一定の水圧に当たったり、ぬるま湯に浸かったりすると、二倍体になるべきところ、受精卵の発生の段階に寄りますが、四倍体になったり三倍体になったりするようなのです。びっくり仰天。
人間は、「ぬるま湯」に浸かっていると、ろくなものにならないのにねぇ。
「それは、こやんぴさんのことですか?」
う~ん、当たっているのが悔しい。

 

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「信州サーモン」は、もう少し複雑です。
 長野県のサイトの中で、水産試験場さんが詳しく解説してくれています。
 まず、ニジマスの受精卵(発生の初段階のもの)に高い水圧をかけて四倍体のニジマスを作出します。
 次に、ヨーロッパ原産のブラウントラウト(二倍体)の雌を性転換させ雄に変えてしまいます。そうすると、元々が雌なので、性染色体はxyではなくxxなのだそうな。
 性転換したブラウントラウトの「偽雄」の精子を、四倍体のニジマスの雌の未受精卵に受精させると、三倍体で雌ばっかりの信州サーモンが誕生するというわけ(y染色体が存在しないので雄が生まれるわけがありませんからね。)。

 信州サーモンは、卵を産み短命に終わるニジマスと違い、卵を産まず、かつ長命なので、とても大きく育つというわけ。
 いやぁ、知らずに食べていたなぁ。魚だけに、ぎょっとします。

 上には上があって、アフリカツメガエルは、二つの異なるゲノムを有する異質四倍体なのですと! もう、ひっくり返るしかありません。

 

 添付のイラストは、ニジマス。無料のイラスト素材を利用させていただいています。
写真の方は、信州サーモンの切り身。こちらは無料の写真素材を使わせていただきました。