絶滅危惧種のイヌノフグリに出会う
ちょっと色の薄いオオイヌノフグリ?
いいえ、違います。これこそが、正真正銘のイヌノフグリ(オオバコ科クワガタソウ属)。
(上の写真でも、イヌノフグリのすぐ傍までオオイヌノフグリが迫ってきています。)
「イヌノフグリ」とは、ご存じのとおり、「犬の睾丸」という意味です。
いじらしいほどに可愛い花を凝視しても、そんなイメージは湧いてきませんよね。
「昔の人たちはすごいなぁ。」と思うのは、草丈十センチメートル内外の小さな植物を実によく観察しているということ。
確かに、花後に生るイヌノフグリの果実は、ワンコを後ろから眺めた時に見える「ふぐり」に瓜二つなのです。
オオイヌノフグリは、イヌノフグリに形状がよく似ていて、花がより大きいので、「おお(大)」が名前の頭につきました。
そんなこともあって、オオイヌノフグリの果実は、
「さぞかし、大きな犬のふぐりをぶら下げているのだろう。」
とついつい想像してしまいますが、これは大きな誤解。オオイヌノフグリの果実は、犬のふぐりには似ていないのです。
ところで、イヌノフグリは、以前ご紹介したタチイヌノフグリと同様、開花しているのが正午近くの数時間だけ。このため、ちょっと時間をずらしてしまうと、蕾しか撮影できません。
そのようなわけで、私は、それらしき植物の蕾を見つけてから開花した姿を撮影するまでに、通ってはがっかり、通ってはがっかりを数度経験しました。
(がっかりはしたものの、蕾も素敵。)