忘れな草をあなたに・・・
「あっ、忘れな草! ちっちゃくって可愛くて、名前も涙が出ちゃうほどキュート。私、この花大好き~。」
この写真をご覧になって、そう思われる女性は多いと思います。
もしもこの花から「私のこと、忘れないでね。」と囁かれることがあるとしたら、「誰が忘れるもんか! 君のこと、ずっと大切にするからね。」、男性はメロメロになってそう答えるでしょう。
園芸店で売っているワスレナグサは、ムラサキ科ワスレナグサ属の数種の原種植物からの交配品種が多いようです。薄い空色のものもあれば、海のように濃い青のものもあり、さらには桜色や紫色、純白のものなど、色とりどりです。
1センチよりも少し小さな花が、か弱げで実に可憐。
と、ここまで記してきましたが、実はこれ、下に写っている「雑草」の写真の一部を拡大したもの。花の大きさはほんの数ミリ。気をつけて見ない限り、咲いていることさえ気がつきません。
この花の名は、キュウリグサ。ムラサキ科なので、葉や花の形は、極小である点を除けばワスレナグサにそっくりです。
キュウリグサ属という別のグループに属していますが、拡大して眺めると「忘れな草」そのもの。
キュウリグサなどというヘンテコな名前を頂戴した訳は、葉を揉むと野菜である胡瓜によく似た香りがするから。
実践してみると、「う~ん、そう言えば・・・」といった感じでしょうか。
けっして珍しい植物ではありません。東京など大きな都市の植え込みの下でも、土にへばりつくようにして生きているキュウリグサを発見することができるはず。目を皿のようにすれば。