「こやんぴ」のぶらりお散歩ブログ

お散歩大好きの「こやんぴ」が、ふと出会った植物や動物たちについて思いつくままに記していきます。

地獄の釜の蓋閉めよ

 昨日のスマホ買い換えが長時間に及んだため、その後のスケジュールの狂うこと、狂うこと。

 

 さて、そのような次第で、昨日は写真のみ掲載の・・・

 キランソウ(シソ科キランソウ属)。

 

 春の始め、田の畦道や林野の地面すれすれに、まるでかくれんぼをするかのように身を潜め、ひっそりと咲いています。花の大きさは5ミリメートル前後。まったく目立ちません。

 

 遊歩道では、その存在に気がつかない人たちに踏みつけられたりもします。幸いなことに、茎を上に向かって伸ばさないので、ポキッと折れたりはせず、けっこう丈夫です。


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 キランソウという名前の由来には諸説あるようですが、「金襴緞子」を思い起こさせるきらびやかな語感。どうも、名は体を表していないような・・・
 園芸品種でもある綺麗な花、ジュウニヒトエとは親戚筋にあたるのに、ちょっと気の毒。


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 昔の人たちは、地べたに這いつくばりながらも元気に育つこの植物に「相当な薬効」があると考えたようです。

 

 煎じて飲めば、あら不思議。
 鬼たちが地獄で釜の蓋を開け、
「お客さ~ん、もう充分煮立ってるよ~。いつでもいらっしゃ~い。」
と待っているのに、重篤の病人がけろっと治ってしまった!

 

 ということがあったのか無かったのかは不明ですが、服用した人が回復するケースがちらほらあったのでしょう、
「あんれまぁ、この草は病気に効くんだねぇ。これじゃあ、鬼さんたちも、『だめだこりゃ。お客さんがちっとも地獄に来ねえや。釜の蓋、せっかく開けたけど、閉めちゃおうぜ。』となるに違ぇねぇ。」

 

 そこで付いた別名が「地獄の釜の蓋」。

 

 残念ながら、現代科学は無粋です。「薬効は確認できない」とのこと。