「出藍の誉れ」ならぬ「卵鞘の誉れ」
我が家の庭のウメモドキとアジサイに、オオカマキリの卵鞘(らんしょう)が合計で3個も!
発見した時は、
「こんな近くに雌のオオカマキリが3頭もいたのか!」
と驚いたのですが、ネット検索したところ、1頭の雌が数個の卵鞘を作るのだそうな。二度びっくり。
さらに驚くことには、一つの卵鞘に200から300もの卵が詰まっているのだとか。
親が面倒を見てくれる昆虫と違い、カマキリは最初から一頭で生きていかねばなりません。当然、生き残り競争は厳しくなります。たくさんの卵を産むのは、そういったことを本能で見越してのことなのでしょうね。母カマキリにできることは、冬に寒さから卵を守るために暖かいダウンコートを着せてあげることくらいのもの。
関東地方で見かけるカマキリは、オオカマキリかチョウセンカマキリである場合が多いんです。ところが、この2種、実によく似ています。見分け方はあるものの、庭や野原でばったり出くわしたときには、
「あれれ、どっちだっけな?」
と迷ってしまいます。
それなのに、卵鞘を見ただけで、
「オオカマキリの卵鞘を見つけた!」
と言うのは早とちりでは、と思う方もいらっしゃるでしょうが、実は、卵鞘の形は種類によってまったく違うんです。
そんなわけで、我が家の卵鞘がオオカマキリのそれであることは、山野の自然と戯れて育った田舎育ちの人間には即座に分かるものなのです。
オオカマキリとチョウセンカマキリの微妙な違いは分からなくても、大雑把なことにはやけに詳しい野性児、恐るべし!