酔狂なアオスジアゲハ
※ この記事に関しては、以前にも同様の内容でアップしたことがあります。
※ ネット上の動画を確認して分かったことがあるので再度アップします。
※ 以下の記述は、コピペではなく、すべて新規の記述です。
我が家には実生のクスノキがあります。
私は、クスノキから虫除けに使われる樟脳が採れることから、クスノキを食べる虫などいないものと思っていました。
そのクスノキがそれほど大きくなかった頃の話ですが、数泊の旅行に出かけて帰宅したところ、驚いたことにクスノキが丸坊主になっていたのです。調べてみると、アゲハチョウの幼虫らしきものが見つかりました。どうやら、この虫がクスノキの葉を食べ尽くしてしまったようです。
アゲハチョウの仲間は、ミカン科やセリ科が食草だと思い込んでいましたので、クスノキを食べるアゲハチョウが存在することを初めて知りました。アオスジアゲハという、アゲハチョウの仲間としては少々小型の部類に属する蝶の幼虫がそれ。
このことがあった後、大きなクスノキを注意して見上げるようになったのですが、なるほど確かに、たくさんのアオスジアゲハが木の周りを飛び回っています。翅に晴天の空のような青い筋を持つとても綺麗な蝶です。
さて、ある年のこと、玄関先に置いてあった牛乳配達用の保冷箱に、緑色のものが付着しているのを発見しました。
白いところに緑色。目立つこと限りなしです。
そう、これはアオスジアゲハの蛹。
見ていただいてお分かりのように、クスノキの葉の裏側にそっくり。葉脈までしっかりと表現されているので、クスノキの葉の後側にしがみついていれば、まったく目立ちません。外敵からも襲われにくいでしょう。
それなのに、このアオスジアゲハは、終齢幼虫の末期に、わざわざ、クスノキからかなり離れた玄関先までのこのこ歩いてきて、こんな目立つところで蛹になったのです。変わり者ですね。
ということで記念撮影をした次第。
そのうちの一枚である下の写真をご覧ください。
お尻で保冷箱にくっつき、それだけではひっくり返ってしまうので、上の方で「命綱」を回しています。
「ふ~ん、なるほど。」
それだけでも、蝶の工夫に感心してしまいますよね。
でも、もっとすごいことがあるのです。
クスノキの葉脈を模した「筋」の部分と「命綱」との交点を更によ~くご覧いただきたいと思います。
なんと、「命綱」は蛹の体を単純に外から支えていたのではなく、「筋」の部分で内側に縫い込まれ、より強固に蛹全体を保持するようになっていたのです。
驚き! 終齢幼虫は、どんな手品を使ってこのような蛹になったのでしょうか?
私は、ルリタテハが終齢幼虫から蛹に変身する姿を観察した経験はありますが、まだ、アオスジアゲハのそれには巡り会っていません。そこで、今回、YouTubeで検索してみたところ、終齢幼虫、前蛹状態、蛹へと移り変わる 様子がアップされていました。
それによると、終齢幼虫が「命綱」を「葉脈」に縫い込むのではなく、体全体が変身する過程で「命綱」状になるようです。いずれにしても神秘的。
ところで、この酔狂なアオスジアゲハの蛹は、天敵に襲われることもなく、ちゃんと成蝶になって飛んでいきました。
※ 以上の内容を書き終えた後、「あぁ、そうかな」と思ったことがあります。
※ 後で、記述したいと考えています。