ガガイモの花 実(み)は想定外
ガガイモの花が咲き出しました。
この株は、花の色が鮮やかですね。
満開になると、微かに良い香りが漂います。
ガガイモは「ガガイモ科」、ずっと、そのように記憶していました。ところが、今では、「キョウチクトウ科イケマ属」ということになっています。
えっ、キョウチクトウの仲間なの? もう、びっくりです。
なぜこんなことになったのかというと、DNA分析が進む世の中に変わり、以前主流だった被子植物の分類体系「クロンキスト体系」は主流の座を奪われ、いまや、DNA解析を土台としたAPGという名の被子植物分類体系が王者の地位を獲得しているのです。
そう、クロンキスト体系では、ガガイモはガガイモ科だったのですが、APGでは、キョウチクトウ科に属することとなったのです。
ところが、話をややこしくすることには、クロンキスト体系は今でも使われていて、過去の遺物とはなっていないのです。学術分野ではAPGの体系に統一されていますが、園芸の世界などでは、今でもクロンキスト体系が生き残っているからです。
クロンキスト体系が生き残っているおかげで、温室で見かけたマダガスカルジャスミンがガガイモ科で、ガガイモの仲間だと知ることができました。
ところで、ガガイモの花は1センチ内外の大きさなので、花後にできる実も可愛らしいだろうと思いませんか。
私は、ずっとそう思っていました。
ところが・・・
秋になって稔る実は、これです。
まるでゴーヤ。
熟れたらさぞや美味しいと思いのほか、冬にはこうなって・・・実の中には細かい種がぎっしり詰まっています。
そして、落下傘付きの種は、冬の強風に乗ってふわりふわりと新天地を目指すのです。
ちなみに、マダガスカルジャスミンの実は、ゴツゴツしたガガイモの実とは異なり、まるでパパイヤのようで美味しそうです。でも、さすがガガイモ科、そのうち、ガガイモと同じように、実がパッカリと開いて種が飛びだしていきます。