アシナガバチの受難、その後
昨日までは、ヒメスズメバチの襲撃を受けているアシナガバチを「フタモンアシナガバチ」と記していましたが、巣の形状とハチの体長から、「フタモンアシナガバチ」より少し小型の「コアシナガバチ」であることが分かりました。
(過去の記述も訂正しました。)
どうやら、当家には、コアシナガバチとフタモンアシナガバチが巣を作っているようです。
今朝、様子を見に行ったら、なんと、おそらく昨日と同じ個体であろうスズメバチが「優雅な朝食」のテーブルについているところでした。スズメバチにとっては天国ですが、後輩である幼虫や蛹が命を落とすところを見せつけられるアシナガバチにとっては地獄絵図。
コアシナガバチは、スズメバチにはどう抵抗してもかなわないと学習してしまったのでしょうか、無抵抗主義を貫きじっとしたまま。ですから、スズメバチは、悠然と「美味しい朝食」に舌鼓を打つことができるのです。
スズメバチは、食事が済んでもすぐには飛び立ってくれません。憎たらしいことに、肢で口の周りを丁寧に拭い、十分に身だしなみを整えた上で、満足そうに飛び去っていくのです。
飛び立ったところをスズメバチ用の殺虫剤で狙えば退治できるかもしれません。でも、アシナガバチにも被害が及ぶ可能性があります。もしかしたら、私も刺されてしまうかもしれません。
それ以上に、「自然の摂理」に手出しをすることに対する躊躇もあります。アシナガバチには気の毒ですが、私はアシナガバチの救世主にはなりえないのです。
今のところ、一頭のスズメバチに襲われているだけなので、その個体が満腹になると去っていってくれます。ですから、巣が一挙に全滅することはありません。
でも、せっかく生まれた幼虫や、もうすぐ成虫になる蛹を食べられてしまうところを眺めざるを得ないなんて、アシナガバチたちも、とんだ疫病神に魅入られたものです。
救いは、まだアシナガバチの女王蜂が健在だということ(女王蜂がいなくなると、働き蜂たちは巣を放棄し、何もしなくなって、やがて死んでしまいます。)。
女王蜂は新しい卵を産み続けてくれる存在、その女王蜂が元気でいてくれのですから、働き蜂たちは、スズメバチが去った後、生き残った幼虫たちの面倒を一生懸命にみているのです。実に健気。
スズメバチが集団で襲ってくることがないことを祈るのみ。