貧乏蔓(ヤブガラシ)に集う金満家
ヤブガラシ(ブドウ科ヤブガラシ属)は、生育力旺盛な草本植物です。
他の植物に絡まりつき、太陽の光を奪うことによって絡みついた植物を枯らしてしまう、というので「藪枯らし」。
庭にヤブガラシを放置したままにしておくと、雑草の手入れをしていない貧乏所帯とみられることから、別名を「貧乏蔓」(他の説もあります。)。
どちらにしても、「嫌われてるなぁ」感満載ですね。
種でどんどん増えるのかと思ったら、関東地方のヤブガラシは3倍体なので種ができないのだそうです。これは意外でした。地下茎でテリトリーの拡大を図っているので、一度生えると根絶が難しい「厄介な」植物とのこと。
このヤブガラシは、畑地と水路の境界に設置されたネットフェンスに絡みついたもの。人間には嫌われていますが、昆虫たちには大人気のようです。花が散った後に残る「花盤」(写真に写っている薄紅色の部分のこと)が大量の蜜を蓄えているからです。
ハナムグリの結婚式に立ち会うことも。招待状も頂戴していないのに。
これはコアオハナムグリ? 花盤の蜜を吸うのに我を忘れているようです。
繰り返しになりますが、薄紅色の部分が花盤。花盤の真ん中にろうそくの芯のように立っているのは雌しべです。
手前にオレンジ色の花がありますが、これは花盤になる前の姿。オレンジ色の部分の縁から伸びているのが雄しべです。
キイロスズメバチかな?
花盤は、蜜がたっぷりとは言うもののとても小さいので、スズメバチは花盤をひと舐めしては、また他の花盤に飛び移るので撮影が大変。
やっとのことでピントぴったり、良い写真が撮れた! と思った瞬間、ファインダーから消えていました。「残念、撮り逃した」と思っていたら、ピントこそ外れているものの飛び立ったところが写り込んでいました。あれまぁ、カメラ目線です。ちょっと怖い。
ナナホシテントウが花の近くにいますが、彼(彼女)は肉食系なので、蜜を吸いに来たのではなく、アブラムシを探しているのだと思います。