不思議だな~ う~っ マンゴー(マンボではありません)
我が家には、昨年種から育てたマンゴー(アーウィン種、いわゆるアップルマンゴー)がすくすく育っています。
え~、ゴホン、正直に申し上げますと、「すくすく」は言い過ぎかもしれません。
なぜなら、昨年、元気に伸び続けていた最初の芽が、数枚の葉を伸ばした段階で急に縮れ、やがて黒変して枯れてしまったからです。
成長点を失ってしまった芽・・・もう駄目だと思いました。
やがて、茎の緑の部分も茶褐色に変わり、完全に枯死してしまうものとあきらめかけていました。
ところが、驚いたことには、それからしばらくして、根元から何本もの茎が芽生えてきたのです。
これまで育てたマンゴーで、このようにいくつもの茎が出てきたことなどありません。全部で10本以上!
昨年の段階で、これら多くの茎のうち、元気なもの数本が、最初の枯れてしまった茎を追い抜くほどに成長しました。
下の写真は、そこまでいかない途中段階のもの。
不思議なことに、最初に成長し、急に先端部分が枯れてしまった茎、成長点を失ってしまった茎が、枯れることなくいつまでも緑のまま踏みとどまっているのです。
ここからは、現在の状況です。
最初、十数本出てきた茎のうち、細いものは消えていきました。
それでもまだ6本ほどの茎が残っています。
最初に伸び始め、先端部分が枯れてしまった茎ですが、驚いたことには、まだ生き生きとした緑色のまま生き続けています(下の写真の棒状に見えるものがそれ。)。何らかの役割を果たしているのでしょうか? 不思議でなりません。
下の写真は、後から伸び始めた茎のうち一番背の高い茎(以下では、「一番茎」ということにします。)のものです。
葉柄と葉柄の間隔が、下の方では詰まっていますよね。この箇所は、今年の春先から梅雨の頃までに成長した部分です。この期間は、あまり暖かくなかったので、成長がゆっくりだったことが分かります。
ところが、まだ茎が赤い部分はというと・・・
どうでしょうか? 葉柄と葉柄の間がぐんと開いていますね。
梅雨明け後、暑い日が続くようになったので、人間はへたばっていますが、南国育ちのマンゴーには夏バテなど無いらしく、次々と新しい葉が生まれてきています。
マンゴーは、もともと熱帯の植物ですから、夏になると元気百倍になるのはよく分かりますね。
ところが、ところが・・・
ぐんぐん成長しているのは、6本の茎のうち、一番背の高い一番茎だけなのです。
他の茎もぐったりしているわけではなく、ぴんぴんはしているんですよ。でも、一番茎がぐんぐん成長するときには、二番茎、三番茎、それ以下の茎は成長が鈍化しているように見えるのです。
二番茎以下の茎にも、それぞれ小さな芽はあるのですが、まるで、一番茎に遠慮して、自ら成長するのを抑制しているかのよう。
最初に芽を出し、成長点を枯らしてしまった茎が今でも健在であることも不思議。
その後出てきた茎が、私が剪定するまでもなく、自然淘汰で数を減らしていったのも不思議。
二番茎以降の茎が、一番茎が成長するのをじっと見守っているように見えるのも不思議。
そして、最大の不思議は・・・
マンゴーには、一つの種の中に一つの胚しか持たないものと、複数の胚を持っているものがあるとのこと。
このため、私は、一度成長を始めたけれど成長点を失ってしまった茎と、その後に出てきた複数の茎とは、別の胚から生じたもの、つまり、私の育てた種は複数の胚を持つ種類なのだと思い込んでいました。
ところが、アーウィン種は一つの胚しか持っていないのだそうです。
ということは、一番最初に伸び始めたものの、突然先端部が枯れ始めて成長点まで失ってしまった茎の失敗をカバーするために、同じ胚が、新たな茎を地上に送り出したということになります。
そんなことが起こるのですね。植物の生きる力のすさまじさを感じます。