地元シニアの青梅バス旅行(後編)
中編でご紹介した「食い逃げ」トラブルは、私たちメンバーの食事代は私たちの会計が支払い、旅行会社分は旅行会社で支払うということが宿側に理解されていなかったからのようです。
確認したい宿側からの声掛けに配慮が欠けていたために、旅行会社の社長さんが怒ってしまったらしい・・・。
はい、この件は忘れて、最終目的地に向かいましょう。
最終目的地は、「青梅宿 津雲邸」。青梅市の市街地にあります。
こちらの施設は、企画展を実施している間の金、土、日曜日及び祝祭日しか開館しません。私たちが伺ったのは9日の火曜日。特別に開館してくれたようです。ありがたいことです。
津雲邸は、戦前から戦後にかけて衆院議員だった津雲國利さんが所有していた約700坪の大邸宅です。京都の宮大工が青梅に呼ばれ、地元の大工さんと共同で建てたもの。一般公開が始まったのは、2014年の11月からとのことなので、まだ、あまり知られていないかもしれません。私は、まったく知りませんでした。
原則として室内の撮影は禁止となっていますが、当日は、特別に許可していただきましたので、何枚か、写真をアップさせていただきます。
入り口に掲げられた暖簾は、絽でできています。津雲家の家紋はアゲハチョウが2羽向き合った「対ひ蝶」だそうです。このため、家屋内には、蝶の造作がたくさんあります。
6月7日から7月21日までは、「美しき日本の工芸」がテーマ。驚いたことに、野々村仁清、尾方乾山、高村光雲、鈴木基一など、そうそうたる名作家の作品が、実にさりげなく展示されているのですから驚き。
今はガラスがはまっているので困難ですが、昔は、この障子から猫が出入りできたのだそうです。それで、猫間障子。
障子の桟は、水平ではなく、掃除がしやすいように手前側が低くなっています。
こちら側は雪見障子。ガラスは、オランダから輸入したもの。当時の日本の技術では縦横にゆがんだガラスしか製造できなかったとのことで、縦のみに少しだけ歪みのある珍しいガラスです。
チョウがいっぱい。2階のチョウは、朝日や夕日でチョウの影が障子に綺麗に移るよう、彫り方に絶妙の工夫を凝らしているらしい。
2階は、とてもゆったりとしています。
トイレの戸まで、杉の一枚戸。贅沢~。
戸の狭さから、中は男子専用のオールドファッションの便器が鎮座していると思っていたのですが、最新式のウォシュレット。
トイレの洗面施設です。最新のものにリニューアルされていますが、重厚な建物にマッチしていますね。トイレにまで欄間彫刻とは!
何時間も留まって細かいところまで拝見していたい素敵な施設でした。
私たちがお邪魔した日は、特別に開けていただけたので、喫茶コーナーはお休みでしたが、通常の開館日には、美味しい飲み物がいただけるようですよ。
近くに素敵なランチの店も見つけたので、今度は、通常の開館日に、もう一度ゆっくりお邪魔することにしています。もちろん、喫茶コーナーも利用したいと思います。
ご案内いただいたご主人には、最初から最後までお付き合いいただき、様々なご説明をしていただきました。
幹事さんの計らいで、小沢酒造の売店で仕入れた酒饅頭と、とっても固い豆腐を付けていただきました。お昼でちょっと「あれれ」はあったものの、最高のバス旅行を楽しむことができました。