キンギョモの花
我が家でお世話になっているお寺に、ちょっとした用事で出かけました。
玄関脇の睡蓮鉢には、副住職が飼育されているメダカがいるのですが、その鉢から何か白いものが飛び出しています。どうやら水草の花のようです。
近寄って見てみましょう。
メダカさんが、水草を縫うようにして悠々と泳いでいました。
なかなかじっとしてくれないので、ピントが定まりません。
メダカさんの左上に見えているのが「何か白いもの」。でも、これは咲き終わった後の姿。
こちらが、今を盛りと咲いている水草の花。
水草は、いわゆる「金魚藻」ですね。せっせと光合成をしているとみえて、泡がぶくぶくと。
それにしても、キンギョモってオモダカみたいな花をつけるんだぁ。知らなかったなぁ。
花の大きさは、1センチメートルほどでしょうか。本当にオモダカに似ています。
白い花弁はとても薄く、向こう側が透けて見えそうな気がします。
花弁の下に見えるのは萼でしょうか。こちらは、花弁よりもずっと薄く、まさに半透明。
「キンギョモには、オモダカのような花が咲くんだ。そうか、そうだったんだ。」と単純に考えていたのですが・・・
こやんぴのように水草に関心が薄いと、睡蓮鉢に入っている水草の中で、細い葉がふさふさで棒状の草は、すべて金魚藻(キンギョモ)ということになってしまいます。実に大雑把。
素人が「金魚藻」と一括りにしてしまっている「キンギョモ」には、実際は、多種多様な科に属する植物が含まれていたのですね。ああ、知らなんだ、知らなんだ。
で、お寺の睡蓮鉢の中に生育している「キンギョモ」は、調べたところ、どうやらオオカナダモであるらしい。オモダカ目トチカガミ科に属するとのこと。「目(もく)」が同じなので、花がオモダカに似ているのもむべなるかな。
「カナダ」という名前が付いているとおり、外来種。
「おやまぁ、あの雄大で冷涼なカナダからお出でなのかい。」
と思ったら、情熱的なラテンアメリカ原産とか。なんじゃそれ。カナダも南アメリカも、太平洋を隔てた向こう側であることは同じでも、方向が違いすぎはしないか。間にアメリカ合衆国や中米諸国が挟まっているではないか。大雑把だなぁ。
(「キンギョモを一括りにしていたこやんぴがよく言うよ」と陰口を叩く者あり。)
繁殖力が強く、自然界に逃げ出したものが、繁茂し過ぎて問題も起こしているとか。
名前が名前なので、迷惑を被った人が、怒りに任せ、
「オー、カナダ! もう! 何なんだよ、カナダ~! 迷惑なんだよ、カナダ~!」
と叫んでカナダ嫌いになってしまったら、無実のカナダ、かわいそうすぎです。
アクアリウムの世界では、オオカナダモとは呼ばず、アナカリスで通っているらしい。
「アナ」から「雪の女王」を思い出し、さらに、「寒い」をイメージして、「やっぱり、寒いカナダが悪い!」という人はいないと思うので、これならカナダも安心です。
それにしても、どうして、カナダなんでしょうね。