「大」から「大」への大きな連鎖
つい先日、妻の知人からお土産として頂戴した「大丸やき」。
「今川焼」の一種なのでしょうね。川越育ちの私からすると、蔵造り商店街として有名な一番街にあった冨士屋さんの「志"まん焼き(じまんやき)」のようなイメージです。
冨士屋さんは、店を閉めてしまわれたので、あのホカホカの志"まん焼きは、もう味わうことができない・・・残念です。
「へーえ、志"まん焼き(川越生まれ、川越育ちだと、大丸やきも、ついつい志"まん焼きになってしまいます。)って、包装されて販売できるようになったんだぁ。」
製造元は、包装紙によると、神保町にある「大丸やき茶房」。
神保町? 学生の頃、しょっちゅう出かけた場所ではありませんか。でも知りません。と言うことは最近できた店なのか? それにしては、包装紙が老舗っぽいので、添付されていた書類をしげしげと眺めると、小さな字で、1968年から焼き始めたとあります。
私は1969年から4年間、神保町をぶらついていたのに、全然知らない。私の方が潜りだったのかも。
包装紙や添付書類をよくよく見たら納得。さくら通りにある店なのでした。
私のテリトリー(猫じゃぁあるまいに。)は、すずらん通りまで。靖国通りを越えてさくら通りまで行くことはまずありませんでした。靖国通りを越えるのは、岩波ホールの地下にあったレクラム文庫売り場に行く時だけでしたから、「大丸やき茶房」を知らなかったようです。
「ええっ! レクラム文庫ってドイツ語の文庫本でしょ? こやんぴってすごいのね。ドイツ語、すらすら読めちゃうんだ!」
いえいえ、一冊は、教養のドイツ語の授業で必要だったので義務で購入。授業についていくの、大変だったなぁ。
後の何冊かは、「なにせ第一外国語はドイツ語なんだからねぇ。このくらい当然でしょ。」と言う見栄で買ったもの。
白状してしまいますと、第一外国語にドイツ語を選択したのは、文法の先生の授業が1週に2コマ(この他に講読の先生の授業が1コマ、計3コマ)だったにもかかわらず、文法のテストは2コマ分一緒で、結局、2コマ分のテストを受けるだけ。とってもらくちんだったから。
英語を選択してしまうと、テストを3種類受けなければならず、準備が大変だったから。
要するに省エネ目的だったのです。
ドイツ語の文学作品って、行替えが少ないんですよね。1ページに行替え0なんてこともあったりして。そんなわけで、辞書を引き引きしているうちに眠くなってしまって・・・完読したレクラム文庫はありません(きっぱり)。
でも、未だに本箱の中にあるんですよね、すべてのレクラム文庫。
え~、大丸やきに話を戻します。
書類でいろいろ自慢するだけあって、美味しい。川越の志"まん焼き、子供の頃に食べたあの味を思い出しました。錦糸町の人形焼にも味が似てます。ですが、一個が大きいからなのか、若干甘みを抑え気味のような気がします。
美味しいものはご近所におすそ分け。ワンコつながり友だちの家にちょっとだけ。
そうしたら、ワンコ友達から、大栄スイカがやってきました。
鳥取県の旧大栄町のスイカは、お金持ち国のドバイの人たちから「ドバイの太陽」として珍重されているのだとか。あちらでは、ものすごくお高いらしい。
メロンで表現すると、私たちの食するスイカがプリンスメロンだとすると、大栄スイカは静岡県袋井市の超高級マスクメロンと言うことになるのでしょうか。
どきどき。高まる期待。
食べてみました。
うん、美味しい。美味しいけれど、旬じゃないからなのか、私たち家族が味覚音痴なのか、ほぼほぼなのです。スーパーで買ったスイカが、
「このスイカ、あたったね~、うまい、うまい!」
てな感じ。
そんなことを言ったら、ドバイの富裕層に叱られてしまうのか。
で、ネットで調べてみたら、「ドバイの太陽」として出荷される大栄スイカは、日本国内の価格で1玉3万円なんですと。袋井のマスクメロンが「うわ~ん、おかあちゃ~ん!」と泣き叫びながら裸足で逃げ出すお値段ではありませんか。
一般の大栄スイカに比べれば、「ドバイの太陽」はとてつもなく美味しいのか。それとも、ドバイが金持ち過ぎて金銭感覚が狂っているのか。
悩み悩みしつつ、大栄スイカに「ドバイの太陽」の片りんを感じつつ、ちびりちびりといただいています(ああ、なんて貧乏性。)。