タチツボスミレの閉鎖花
元我が家の二代目犬コロがいた場所をミニミニ・スミレ園にしているのですが、タチツボスミレの花の時期はとうに過ぎ、ビオラ・ソロリアもそろそろ開花時期を過ぎようとしています。
スミレ科の植物を食草とするツマグロヒョウモンの幼虫(黒い毛虫)が、ビオラ・ソロリアの葉をそろりそろりと食べています。美味しい食事を堪能できる幼虫たち、羨ましい気もしないでもありません。でも、油断は禁物。何種類ものアシナガバチがスミレ畑に顔を出し、幼虫を肉団子にしようと虎視眈々と狙っているからです。
小さな世界で、生きるか死ぬかのドラマが展開されているのです。
さて、この写真は、タチツボスミレの現在の様子。
「なぁんだ、こやんぴったら、もう花の時期は終わったって言っていたけれど、蕾がいっぱいあるじゃないの。まだまだ咲きそうだよ。」
ところが、ところが・・・
スミレの仲間は、春先に花を咲かせますが、その後は、このような蕾が晩秋まで次から次へと登場します。登場はするものの、花開くことはありません。このため、「閉鎖花」と呼ばれます。
蕾の中で、自分の雄しべから自分の雌しべへの自家受粉が行われ、開花することなく膨らんで実を結び、ポンポンと弾けては種を遠くに飛ばし、子孫繁栄を図るのです。