ヒイラギナンテンの話題が続きます
ヒイラギナンテン(メギ科)は、穂状にたくさんの花をつけるのですが、花の直径が1センチメートルにも満たない上に、全開することがないので、地味な花と言えるでしょう。
でも、ぐぐっと近寄って見ると、なんと愛らしいことか。
ウィキペディアには、「雄しべは、昆虫などが触れることによる刺激で内側に動いて、花粉をなすりつける。」とありました。
この文章だけでは、花粉をなすりつける対象が、昆虫なのか、雌しべなのかがよく分かりません。植物たちは、基本的に自花受粉を避けようとするので、多分、「昆虫になすりつける」ということなのでしょう。
ちなみに、夏に咲くマツバボタン(スベリヒユ科)も、昆虫が着地すると雄しべがゆらゆらと揺れます。人間が手で触っても、この現象を確認することが可能です。
もしかすると、他の花粉を受け取れなかった花が、散る間際に、最後の手段として、自分の雄しべから花粉を受け取ることはあるのかもしれません。
オオイヌノフグリは、これからが花盛りの季節です。
一日花なので、夕方になると散ってしまうのですが、その際に、それぞれの花の雄しべが雌しべの頭にくっついて、最悪でも自花受粉をする姿が確認できます。
皆さん、私ほど暇ではないと思いますので、朝から晩までオオイヌノフグリの花を見ていることはできないと思います。それでは、朝と夕方の2回だけ確認してみてはいかがでしょうか。朝方の雄しべの形は、両腕に力こぶをつくっているマッチョのよう。夕方のそれは、頭に両手をあてて「まいったなぁ」と困惑しているかのように見えます。面白いですよ。