イチゴの種? 知ってる、知ってる、あの粒々でしょ?
少し前になりますが、リンゴの実についてお話したことがありました。
リンゴの実は、美味しいですよね。それに引き換え、種が入っている中心部分は、「芯なんか捨てちゃおっと」という扱いを受ける悲しい定め。
ところが、私たちが実だと信じきり、美味しい美味しいと食べている部分は、なんと「偽果」。偽物の果実だったのでした。本当の実は、躊躇なく捨てていたあの「芯」。
そう言われてみれば、種を包んでいる「芯」の部分って、子房の形をしていますよね。この部分が本当の実(真果)だったんですね。
「芯か」と思っていたら「真果」だったわけで、文字に書かずに口で言っているだけだったら皆さん正解だった?
美味しい、美味しいの部分は、花の土台部分の花托が膨らんで、「真果」を包み込んだものだったのですね。
さて、イチゴですが、これも、我々が美味しい、美味しいと言って食べているのは、「偽果」なのです。リンゴと同じで、花托の部分。
それでは、種はどこにあるのでしょうか?
「何言ってんだか、こやんぴは! イチゴの表面にずらりと並んだ粒々が種に決まっているじゃないの!」
ほうほう、そうですか? あれがねぇ、種ねぇ。へ~え、そうなんだ。
じゃあ、リンゴの「芯」に相当する部分はどこ?
「あれぇ、確かに見当たらないねぇ。あ、分かった! 芯だけに削られちゃったんだよ。」
鉛筆ではありませんので、削られることはないと思いますけれど。
「育つ途中で消えちゃったとか・・・」
それがねぇ、リンゴの「芯」に相当するもの、つまり「真果」は、この写真の中に写り込んでいるんですよ、しっかりと。
「え~、どこに~? 種が潜りこんでいる部分のこと~?」
いえいえ、違います。あなたが「種」と言っているもの、それこそが「真果」なのです。
イチゴの果実(真果)は、「痩果(そうか)」。
その名のとおり、痩せている果実。種は痩果に包まれているので見えません。
ご納得いただけましたでしょうか?
「そうか、そうか。」
はい、お答えがそうかとは思っておりました。