サイカチの種は、害虫がいないと発芽しない!?
サイカチ再考
数日前に、サイカチの豆果について記述しました。
その際、ウィキペディアの「サイカチ」の項を参照したのですが、その中に驚くべき記述がありましたのでご紹介いたします。
その前に、葉と花、そして、豆果の形を確認しましょう。
鋭い棘があるところや葉の形は、ジャケツイバラに似ていますが、蔓性ではなく、花もジャケツイバラのように派手ではありませんね。
雄花と雌花、両性花があるらしいのですが、昨年は観察不足のため、よく分かりませんでした。今年の課題。「花弁は4枚」とのことですが、どれが花弁で、どれが萼片なのかな? これも今年の課題。
《 豆果が育ちつつあるサイカチの木 2018年6月19日撮影 》
《 同上。くねくねと捻りを加えているのがサイカチの豆果の特徴。まだ内部で豆が育っていないため、ペラペラです。 》
《 落葉し、豆果もほとんど落下したサイカチの木 2019年1月14日撮影 》
この写真、カメラが私の言うことを聞かず、豆菓にピントを合わせようとしません。カメラの育て方を間違えたのでしょうか? お恥ずかしい限りです。
サイカチの木の下には、豆果がばらばらと散乱していました。
《 サイカチの豆 2019年1月15日撮影 》
この豆を蒔いて、サイカチの木を育ててみようと思っていましたが・・・
害虫との不思議な「共生」
ウィキペディアに、次のような記述がありました。
「サイカチの種子にはサイカチマメゾウムシという日本最大のマメゾウムシ科の甲虫の幼虫が寄生する。
マメゾウムシ科はその名前と違って、ゾウムシの仲間ではなく、ハムシ科に近く、ハムシ科の亜科のひとつとして扱うこともある。」
マメゾウムシ科の昆虫は、マメ科の農作物にも寄生する農業害虫、食品害虫のようです。
サイカチも、サイカチマメゾウムシに寄生され、迷惑を被っているのだな。サイカチも大変だなぁ。
ところが、ところが、なのです。ウィキペディアの解説はとんでもない方向へ。
「サイカチの種子は硬実種子であり、種皮が傷つくまではほとんど吸水できず、親木から落下した果実からはそのままでは何年たっても発芽が起こらない。」
へぇ、そうなんだ。それで、同じマメ科のニセアカシアが川端に大量に自生するのに、サイカチの木は簡単に増えないのですね。
ニセアカシアほどではないにしても、かなり大量の種をまき散らしているというのに・・・。
では、サイカチはどのような状況になったら発芽するの、ウィキペディアさん?
「サイカチマメゾウムシが果実に産卵し、幼虫が種皮を食い破って内部に食い入ったときにまとまった雨が降ると、幼虫は溺れ死に、種子は吸水して発芽する。一方、幼虫が内部に食い入ったときにまとまった雨が降らなければ幼虫は種子の内部を食いつくし、蛹を経て成虫が羽化してくることが知られている。」
なんということでしょう。害虫が種皮を食い破って豆に入るという、本来なら植物にとって迷惑極まりない行為がないと、種子に発芽のチャンスが訪れにくいとは!!
これも、「共生」なんでしょうかね? 随分変わったことをする植物であることは確かですね。でも、なぜ?
サイカチは大木となリます。子孫が増えすぎると無駄な競争が起こるので、このようなシステムを採用することにより調整しているのでしょうか? 子孫どおしを競争させるという戦略も「あり」のような気がしますけれどね。
迂遠すぎるし、そもそも、サイカチマメゾウムシがいなくなったらどうするのでしょうか?
生物の世界は、実に面白いですね。