和菓子我が友 小さいけれど美味しさがギュッと凝縮
昨日、京都・奈良旅行から帰ってまいりました。
旧三井家下鴨別邸は、公開が始まってやっと2年を過ぎたところ。
私たちは、初めての訪問でした。
その魅力については、旅行記で記したいと思いますが、今回は、和菓子の話。
昔の歪みのあるガラス越しに日の射しこむ部屋で、お抹茶をいただくことができます。
その時の写真がこれ。
私は、声にこそ出しませんでしたが、和菓子を見た瞬間、
「あれ、ちっちぇ~。」
と思いました。
そんな言葉を発しようものなら、係の人にも失礼ですし、そもそも妻は茶道をたしなんでおりますから、
「あなたは何にも分かっちゃいない。」
と窘められてしまうにきまっています。
ですから、何ごともなかったように、頂戴しました。
一口で終わってしまいそうな大きさですが、そこはお上品な振りをして少しずつ味わなければなりますまい・・・
チョコレートでコーティングされたような外観ですが、黒砂糖主体の餡の香りが口中に広がり、とてもおいしくて・・・と思っている間に二口で食べ終わってしまいました。
後で、妻が係の人にお伺いし、亀屋良長さんという和菓子屋さんの「烏羽玉(うばたま)」というお菓子であることを知りました。
帰りの列車を待つ間に、新幹線コンコース内の売店を見て回っていたら、その「烏羽玉」を見つけることができたので買ってきました。
6個入りなので、妻と二人で3個ずついただける計算になります。
先ずは二人で一つずつ食べることになり、あまりの嬉しさに、妻に、
「実は、お抹茶が運ばれてきたときにさぁ、このお菓子が『ちっちぇえなぁ』と思っちゃったんだよ。」
と、ぽろっと白状してしまいました。ずっと秘密にしておこうと思ったのに。
妻は、当然、
「まったくあなたという人は・・・」
と、私の食いしん坊ぶりを非難すると思いのほか、
「わたしも、『あれまぁ、小っちゃいこと』と思ったのよ、実は。」
とのことでした。
帰宅してから調べたところ、亀屋良長さんは老舗中の老舗で、烏羽玉は創業以来ずっと作り続けられてきたお菓子とのこと。さらに最近は、若奥さんによるカロリー控えめの新製品開発とか、パティシエールとのコラボなどでも話題になっている超有名店だったようです。
私たち夫婦は、二人一緒に、心の中でとはいえ、何も知らなかったとはいえ、「ちっちぇ~」などと叫ぶとは、なんとちっちぇ~料簡の夫婦なのでしょうか。
JRの展開する「京の冬の旅」の企画にも、亀屋良長さんが組み込まれているようですね。
今晩は、二人とも、
「ちっちぇ~」
などとは思わず、口中でころがし、じっくりと味わいましたとさ。めでたし、めでたし。