エリンギに似た大きなキノコ
家の近所に、数年前に立ち枯れしたエノキの大木があり、木材腐朽菌がせっせせっせと分解作業にいそしんでいます。当然、菌の子実体である様々な種類のキノコが次々と顔を出します。
2年前は、エノキタケがごっそり顔を出し、少しずつ大きくなっていきました。食べごろになったなぁ、そう思って眺めていたところ、よく知っている人がいるらしくて、一つ残らず採集されてしまったことがあります。
「こやんぴ、『よく知っている人』ですって? なに言ってるの? エノキタケは、スーパーの食品売り場にいくらでもあるから、誰だって、見ればエノキタケだと分かるでしょ?」
それが、分かんないんですよね。栽培されているエノキタケは、光を当てないで育てるのでひょろひょろ。野生のエノキタケは、皆が「あっ、キノコだ。」と納得するオーソドックスな形をしているのです。栽培品とはまったく違うので、「よく知っている人」でないと、エノキタケとは気づかないのです。
こやんぴは、エノキタケだということは気づいていたのですが、採集はしませんでした。当家には、採ったキノコを食べる習慣がないからです。観察するだけ。
「やはり野に置け、食用キノコ」を実践する「立派な自然保護一家」というわけではなく、家族全員が生れながらのビビりなので、どうしても、「もしかしたら・・・」と思ってしまうのです。
そんな残念な思いをした(おいおい、やっぱり残念だったのかよ。)エノキの木に、今朝、こんなキノコが生えているのを発見しました。直径15センチほど。かなり大ぶりのきのこです。
子供用のグローブのようにも見えます。
大きすぎてビビりますが、何となく美味しそうな気が・・・
一山いくらで売れそうな気もしてきました。
エリンギに似ていませんか? でも、エリンギは、日本には自生していませんから、エリンギではありません。
ヒラタケかもしれません。ヒラタケなら食用になります。美味しいキノコ。
エリンギに似ているのも道理で、ヒラタケもエリンギも、ヒラタケ科ヒラタケ属。ごく近縁のキノコだったのです。
待てよ、ヒラタケと似ている毒キノコに、ツキヨタケとスギヒラタケがあるではありませんか。軽々にヒラタケと断定しない方が良さそうです。
でも、ツキヨタケはこれほど大きくなりませんし、スギヒラタケは針葉樹の枯れ木がご専門。
どうやら、ヒラタケの可能性が高くなってきました。
「さあ、どうする、こやんぴ?」
う~ん、やっぱり、私は観察するだけにしておきます。