「こやんぴ」のぶらりお散歩ブログ

お散歩大好きの「こやんぴ」が、ふと出会った植物や動物たちについて思いつくままに記していきます。

「新蕎麦」は秋の季語。なのに「蕎麦刈」は冬の季語???

 川越の繁盛店、むさしやさんで新蕎麦を食べてきました。

 

 むさしやさんは、川越市と川島町とを結ぶ落合橋南詰にほど近い交差点脇に位置しています。お昼の混雑時間帯を避け、遅れて到着したのですが、駐車場はほぼ満杯。幸い、隅っこに1台分空いていたので、うろうろしないで済みました。

 

 店内に入ると、席はすべて埋まっていて、少し待たされました。もう少し早く店に入ろうとしたら、混雑のピークだったでしょうから、多分、だいぶ待たされたことでしょう。遅めに家を出たのは正解だったかもしれません。

 小宴会も入っていたようで、賑やかな笑い声も聞こえてきます。

 

 10分ほど待つと、どんどん席が空き始め、4人掛けの席に一人で座ることができました。

 

 野菜天せいろを注文。

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 野菜天は、狭山の秀庵の方が安くて豪華ですが、まあ、文句のないところ。

 

 蕎麦本体はというと・・・やはり新蕎麦は違いますね。深い香りがたまりません。大変おいしくいただきました。

 今月末に蓼科に行くので、あちらでの新蕎麦が今から楽しみになりました。

 

 ところで、俳句の世界では、「新蕎麦」は秋の季語。世間の常識と懸け隔てがあるわけではありませんので、問題ありません。「そりゃあ、そうだろうなぁ。」そう思います。

 

 ところが・・・新蕎麦を食べるためには、その前にソバを刈り取らねばならないというのに、「蕎麦刈」は冬の季語なのです。

 これって、おかしくありませんか。刈り取る前に新蕎麦を食べるだなんて順序が逆です。俳句の世界では冬の後に秋が来るのか? 春夏冬秋なのか?

 

 よくよく調べてみると、「新蕎麦」の概念が、昔と今とでは違っていることが分かりました。

 今の「新蕎麦」は、ソバの実を晩秋から初冬にかけて刈り取り、それを「待ってました」と挽いて食べる蕎麦のこと。

 熟したソバを刈って、それが「新蕎麦」になるわけですから、理屈に合っています。

 

 じゃあ、昔の「新蕎麦」ってどういうこと? 皆さん、ますます分からなくなったんじゃあありませんか?

 

 え~、すでにご承知のとおり、江戸っ子は気が短いんでございますよ。何でもかんでも、じっと待ったりなんぞいたしません。「てやんでぇ、そんなの粋じゃあねぇやい。」てなもんです。

 そんなわけで、ソバが初冬に熟するのを指をくわえて待ってなんかおりませんのですよ、江戸っ子は。まだ熟していない青みの残るソバの実を刈り取って、それをいち早く蕎麦にしたものを、「これこそ蕎麦の中のお度場さまよ。新蕎麦さまよ。」と崇め奉り、ありがたがって食べていたらしいのです。

 初物が大好きだったんですねぇ。

 

「するってぇと、新しいスマートフォンを発売初日に手に入れるために、数日前から並んでいる人たちなんざ、江戸っ子の正当な後継者と言えるんじゃあねぇんですかい?」

 う~ん、もしかしたら、そうかもね。

 

 というわけで、「新蕎麦」は秋の季語となり、俳句初心者を惑わすこととなったのです。こやんぴも、すっかり混乱させられてしまいました。

 

 ところで・・・青みの残るソバの実で作る「新蕎麦」って、美味しいんですかねぇ。