鳩ノ巣渓谷そぞろ歩きの記 その3(最終回)
このハイキングコースは、ダム管理のための巡視路が一般開放されているもの。
進行方向左側は急峻な崖となっており、所々に土砂の崩落防護ネットが施されており、現実に崩落個所も見受けられます。日ごろの管理のご苦労が偲ばれます。
その崖際に、多くの植物、菌類を見つけました。
まずは、菌類から。
ねっとりした線のようなものも見受けられるので、もしかして、これ、キノコじゃなくて粘菌? 粘菌の子実体にしては大きすぎるかな? やっぱり、キノコ?
苔の間から顔を出した双子のきのこ。
名前は分かりません。
スッポンタケ(スッポンタケ科)。
遠方にあったので、かなりの望遠で撮ったもの。
急な斜面だったので、最初から下向きに成長したのか、それとも、最盛期を過ぎて体が支えきれず下を向いてしまったのか・・・。左側のものは、もう間違いなくへたりこんでいますね。
上品なネットを身に纏っているキヌガサタケほどの人気はありませんが、親戚筋のキヌガサタケ同様、食用になります。
イワタバコ(イワタバコ科)。
夏に咲く赤紫色の花は、可憐です。
冬になると、小さな緑の塊となって冬を越します。
これは、何でしょうか?
イヌショウマ?
紅葉の予感。
フユノハナワラビの胞子嚢が色づいていました。
川越よりも早いですね。
この野菊の名前は何でしょうか?
カノツメソウ(セリ科)?
オニタビラコに似ているので、ヤクシソウ(キク科)でしょうか?
センニンソウの痩果。
熟すと、綿毛をつけた種が風に吹かれて新天地を目指します。
サルオガセ?
奥秩父の原生林などで見かけるサルオガセよりも鮮やかな色をしています。
こんな低山にもサルオガセの仲間があるとは思いもしませんでした。サルオガセだったとしたらですが・・・。
鴨が何羽か、のんびりと泳いでいました。
この写真は、彩度を高くして撮っています。
現実の見た目よりは、少々派手目。
これが彩度を上げずに撮った写真。
見た目は、上の2枚の中間ほどの色あいでした。
水の色が、ダム湖らしい色をしています。
カモさん、何を食べようとしているのかな?
カエデの仲間の木に、珍しい実がついているのを見かけ、望遠側で撮影し、後で見てみたら、釣用のウキでした。
釣り師が木に引っ掛け、そのまま放置をしたもののようです。
テグスが野鳥の足に絡まり、死んでしまうことがあるので、放置しないでもらいたいもの。写真を撮ったときは、てっきり珍しい実だとばかり思い込んでいました。そのため、写真の確認をしなかったため、何の対処もせずに帰ってきてしまったことが悔やまれます。
遊歩道から離れ、数馬峡橋から白丸湖を見下ろすと、カヌーを楽しむ人の姿が。
白丸駅に登る細道の脇の民家にお茶の花が咲いていました。
花の脇では、カニグモの仲間が、獲物が寄ってくるのをじっと待っていました。
私たちは、この後、白丸駅で、電車が来るのをじっと待っていました。
拍子抜けのするほど短い行程ではありましたが、いろいろな植物や昆虫などに出会えて、とても楽しいハイキングとなりました。