鳩ノ巣渓谷そぞろ歩きの記 その1
奥多摩名物**最中
10月25日、鳩ノ巣渓谷を歩いてきました。
鳩ノ巣・・・懐かしい。
中学生の頃、夏休み中の山の家行事で鳩ノ巣のバンガローに泊まって以来ですから、さて、何十年ぶりだろう。
当時の青梅線には、チョコレート色の旧型車両が走っていました。
冷房など付いておりません。そこで、鳩ノ巣への行き帰りには、電車の窓を大きく開けて、外の空気を列車の中に呼び込んでおりました。
こやんぴ少年は、その明け放された窓から、すぐ下を走る青梅街道をじいっと眺めていたものです。何を凝視していたのかというと、路傍の電柱に掲げられた地元の企業などの広告。
「奥多摩名物**最中」
近づいては飛び去り、近づいては飛び去る電柱ごとに、この看板の文字が目に飛び込んできたからです。
純真なこやんぴ少年、
「へえぇ、奥多摩は、最中が名物なんだ。知らなかったなぁ。」
と、やけに感心してしまったのでした。
これは、家に帰ったら家族全員にも知らせ、驚きを共有しなければなりますまい。
帰宅早々、私は、母に向かってこう叫びました。
「ただいま~、おかあちゃん。あのさあ、奥多摩では、『**さいちゅう』が名物なんだってよ。おもしろいねぇ。」
母は、くすくす笑いながら、こう言いました。
「こやんぴ! おもしろいのはお前の方だよ。あれはね、『もなか』って読むのよ。」
こやんぴは、「最中」を「もなか」と読むことを中学3年生になって初めて知ったのでした。最中は甘くておいしいのですが、私にとっては苦い思い出です。
渓谷へと足を踏み入れる
好天気の上に湿度も低く、絶好のハイキング日和となりました。
駅名の脇に、鳩がくり抜いてあります。お洒落ですね。
駅前に、葬祭場があったのには驚きました。元は土産物屋か何かだったような気もしますが、どうなんでしょうか。
(写真も撮っておらずに、「どうなんでしょう」はないですね。失礼しました。)
ハイキングコース入口に架かる橋の上から。
吸い込まれそうです。
渓谷へ降りていく途中、旅館の脇を流れ落ちる小さな滝がありました。
なかなかの渓谷美です。
紅葉の最盛期は、まだまだ先のようですが、これから先のハイキングが楽しみになる光景です。
ヒヨドリジョウゴの実は、歓声を上げたくなるほど綺麗。
ミニトマトやクコの実に似ていなくもありません。「なるほど、ナス科であるわい」と納得できる形です。
ヒヨドリジョウゴは、花も可愛いですね。
倒木の切り株に木材腐朽菌が。サルノコシカケ科と思われます。こちんこちんでした。
木材腐朽菌は、他の生物には分解することのできない樹木の成分「リグリン」まで分解することができるので、将来、この倒木は完全に土に帰ることになります。
ヤマアジサイ? 春と間違えたのか、数株が花を咲かせていました。
四阿でお昼休憩
渓谷沿いを上流に向かって歩きました。
岩の上を歩くので、もし雨でも降ったら滑って大変だったかもしれません。
でも、この日は、絶好の行楽日和。軽い昇り降りはあるものの、清流と、崖を覆う樹木、道端の草花を眺めながらの「のんびりハイク」を満喫することができました。
東京都交通局が管理するダムが近づいてきました。
堰堤の上部の高さまで、高度を稼がなければなりません。ちょっとの間、登りが続きます。
登りが終わると、そこは開放感あふれる広場。四阿があり、テーブルとベンチが四阿の内外にかなり置かれていました。
連れの二人が、
「ここでお昼にしましょう。」
と言っています。
「えっ、もう? 人造湖の見える場所がいいんじゃないの?」
とは思ったのですが、私が意見を言う前に、すでに2対1ですから、言葉を発することなく、大勢に従うこととしました。
でも、これが正解でした。人造湖の見える場所に、これほど広い休憩ポイントが無かったからです。余計なことを言わなくて良かった~。
ここまで、あまり、花に巡り会わなかったので、食後、広場の周囲をあちこち見て回りました。
そこで発見したのが、昨日アップした「白いコートを身に纏ったバッタ」さん。
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紅葉の頃に訪れれば、もっと、もっと綺麗でしょうね。
総苞に棘らしき突起があるので、アザミ属かな? それともタムラソウ?
葉を触って確認すればよかったかも。
これは、白花だったのかな?
あっ! 葉に棘が見えます。アザミ属のようですね。
さあ、ダムに向かいますが、きょうは、ここまで。