恐ろしや~ ゾンビのような・・・
鳩ノ巣渓谷を歩いてきました。
ちょっと疲れてしまったので、ハイキング全体のレポートは明日以降とさせていただきます。
今日は、渓谷歩きの途中で見かけた「白いコートを身に纏ったバッタ」についてのご報告。
どうです。朝夕の冷え込みが身に染みる季節になったので、ふわふわの上着を着込んでいるように見えますよね。
粉ふき虫タイプのバッタなのかな?
丈夫な草の茎にしっかりとしがみ付いているので、のんびり日向ぼっこをしているみたい。実にほほえましい光景。可愛いっ!
ところが・・・
なんと、なんと・・・このバッタは、すでに生きてはおりません。
不幸にして、白きょう病菌(昆虫病原性糸状菌の一種)に侵されしまったのです。
この菌(キノコやカビの仲間のことです。)は、バッタに感染した後、その体内で増殖し、バッタの体を蝕んでいきます。そして、バッタがいよいよ青息吐息状態になると、
「草や木の高い所まで登れ」
とバッタに指令を出すのだそうです。
え~っ、どうやって??? まるで、ゾンビではありませんか。
キノコは野菜売り場で販売されているので、キノコを含む菌類は植物に近いようなイメージなのですが、このような「指令」を発するなんて、どうも、菌類は、植物よりも動物に近いようですねぇ。
菌に誘導されるままに目的地まで歩んできたバッタは、茎にしっかりとしがみ付いた状態で昇天してしまいます。
一方の昆虫病原性糸状菌は、瀕死のバッタに高い位置まで運んでもらったので、労せずして胞子を遠方まで飛ばすことができるのです。そして、胞子のうちの幸運児(バッタにとっては幸運児ではありません。悪魔の手先です。)が、新しいバッタに取りつくことにより、子孫を残していくのです。
「そろそろ、鉄塔にでもよじ登ってもらおうかなぁ。」とか、「さあ、富士山に登れ!」とか命令する「人間病原性糸状菌」があったら怖いですね。