ソバのようでソバでなし
ソバ畑は、今、花盛り ・・・
としか見えないでしょ、この写真。
でも、ソバ畑で撮影したものではありません。
「ははぁん、分かっちゃった。こやんぴのことだもの、『畑じゃなくて、休耕田で作付けしているのを撮影したんだよ。』とでも言いたいんでしょ。」
いえいえ、休耕田でもありません。
「ということは、誰かが不法耕作しているのかな?」
実は、10年ほど前に、初めてこの花を見つけたこやんぴも、どこかの人が、国土交通省に内緒でソバの栽培をしているのかと思いました。
もう少し花のそばに近寄ってみましょうか?
どう見てもソバですよね。
この花は、毎年毎年、勢力を拡大し、今や、そこかしこで「まるでソバ畑」の様相を呈するようになりました。
ソバの名の語源となった稜(かど)のある黒い実も、たくさん稔ります。
「それは、すごい。収穫してソバ粉にすれば、ソバを一年中食べられるじゃないの。羨ましいね、こやんぴ!」
それが・・・
残念なことに、これ、ソバにそっくりなんですが、ソバではないんです。シャクチリソバという名の宿根草。一年草のソバの親戚筋に当たるとはいえ、実(み)はえぐみが強すぎて食用とはなりません。実に残念です。
ヒマラヤ辺りが原産地とか。小石川植物園などで栽培されていたものが、野原に脱走した、との噂もちらほら。
入間川河川敷では新参者の部類に属しますが、他の植物の成育を妨げる物質を放出するらしく、10年ほど前は、
「おや、珍しい。」
と思ったのですが、今は、
「あれまあ、こんなに増えちゃって。ミゾソバの居場所がなくなっちゃうぜ。少しは遠慮しなさいよ。」
と言いたくなるほど。のさばっています。
でも、雄しべのピンクが可愛いんですよ、この花。
それがシャクで、心がチリチリする(?)ソバなんです。