稲妻撮影に四苦八苦

　夕焼けに出遅れました。

　ほんの少し前まで茜色の化粧を施していた雲たちは、すでに消し炭と化し、しばらくすれば雲散霧消することでしょう。

　でも、捨てる神あれば、拾う神あり。東北の空に、積乱雲が大きく成長を遂げていました。頂点が金床（かなとこ）状に広がり始めているので、その高度は優にエベレストの標高を越えていることでしょう。

　すでに、地上や低い空は暮色に包まれているというのに、積乱雲は未だ綿菓子色。地上からはもう見えない夕陽が、その一部を薄桃色に染めています。雄渾の一言。

《　まるで、巨大なシロクマ・・・それとも、巨大羊？　》

《　この時期、積乱雲の標高は１万メートルを越えることもあるとか・・・　》

　ちらりちらりと入道雲に目をやりつつ歩いていると、どうやら稲光が起こっているような気配。

　そこで、堤防上の遊歩道に上がり、稲妻をカメラに収めることに。

　む、難しい！　やらためったらシャッターを押しましたが、タイミングがずれて、うまくいきません。他のカメラを持ってくるべきだったかも、と後悔するも後の祭り。

（ちなみに、家に帰ってからの「無駄写真」消去にかなりの時間がかかりました。連写していたらもっと大変だったことでしょう。）

《　長大な稲妻も見えたのですが・・・　稲妻の写っていない映像が何十枚も！　》

《　稲妻がほんの少ししか写っていませんでした。カメラアングルをもう少し下げておけばよかったですね。　》

　またまた、捨てる神あれば拾う神あり。満月が東の空から上がってきたではありませんか。

　夕焼けには遅れてしまいましたが、なかなか充実した夕暮れ散歩となりました。