「こやんぴ」のぶらりお散歩ブログ

お散歩大好きの「こやんぴ」が、ふと出会った植物や動物たちについて思いつくままに記していきます。

蓼科温泉程近くの「原生林」 その1

 蓼科温泉地区のプール平に、ずばり「蓼科温泉」という名の立寄り湯があります。加温なし、循環なし、加水なし。

 源泉が熱すぎる時は水で温度を下げることもありますが、湧出量不足を補うための加水ではないので、「加水なし」といって問題なしですよね。

 ph値の低い塩化物泉で、無色透明。いつ行ってもきれいなお湯に入れるのはありがたいことです。

 

 立寄り湯の「蓼科温泉」のある地域を「プール平」と呼ぶのは、昔、浴場の直下にプールがあったから。数年前まで、プールの残骸が残っていたのですが、今は整地されてしまったので、最近始めてこの地を訪れた人たちは、

「『プール平』のプールってどういう意味なんだろう? 浴槽のことなのかな?」

と、よくそう(浴槽)言ったりして・・・

 

 冗談はそのくらいにして、「蓼科温泉」の横の細道を数分歩くと、谷に下る道となります。


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《 緑の鮮やかな小道です。 》

 

 下り終わると、ひんやりとした川沿いの山道に変わります。

 この山道に足を踏み入れると、訪れた人はあっという間に原生林の中の人となってしまいます。原生林に分け入るためには、何時間も山道を登らなければならないのが普通なのに、ここではたった数分! 奇跡的です。


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《 ここ、温泉に入りに来る人たちで賑わうプール平から数分ですよ。 》

 

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《 まるで、深山幽谷。 》

 

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《 倒木は、やがて菌類(キノコ)など分解者により土に帰ります。 》

 

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 《 岩を巻き込む木の根の力強いこと! 》

 

 

 蓼科郵便局の脇から、原生林への道は始まります。

 郵便局裏あたりには、こんな小さな花がたくさん咲いています。

 

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 ゲンノショウコに似ていますね。それもそのはず、同じフウロソウの仲間で、ヒメフウロという名。国内では、ごく限られた地域にひっそりと咲く花で、絶滅が心配されています。

 それなのに、蓼科の郵便局の裏にたくさん咲いているのは何故?

 

 実は、これ、外国から園芸植物として入ったヒメフウロ。ここのヒメフウロは、かなり前からありますが、他の地域でも、少しずつ勢力を増しているようで、どこでかは忘れましたが、確かに違う場所でも、最近、ヒメフウロを見ております。日本の野生種は絶滅の危機に瀕しているのに、外国から園芸種としてやって来た方が増え続けている・・・何なんでしょうか。

 

 原生林の入り口付近に、傘の直径が20cmほどの大きなキノコが顔を出していました。

 

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 へこんだ傘の上に土を乗せていることから、土の中である程度育つタイプであることが分かります。多分、シロハツ。白い初茸という意味。「初」というのは、秋に顔を出す他のきのこに先駆けて顔を出すから。

「多分、シロハツ」と記したのは、この仲間には、形態の似た別種がたくさんあるから。毒のあるもの、無いもの、それこそいろいろ。シロハツは、無理をすれば食べられますが、あまり美味しくないし、食べてみたら別称の毒キノコだったりするので、そっとしておくのが無難かも。

 

 原生林に入る手前、渓流のわきに出たところで、様々な植物に出会いました。

 

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《 コバギボウシの蕾。紫色の濃いのが特徴。 》

 

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《 湿地の女王、ツリフネソウホウセンカの仲間で、成熟した種は勢いよく弾けます。 》

 

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《 ノリウツギ。 薹が立ったアジサイといったイメージ。 》


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《 背の低いウツボグサが花を咲かせていました。地上すれすれ。 》

 

 さて、次回は、いよいよ、原生林の中に分け入り、原生林内の植物を探します。

 往路では見落とした原生林手前の植物についても、明日ご紹介いたします。