雨蛙アマリンの受難
暑い、暑すぎる!
十万石まんじゅう級の暑さ
川越は、連日の猛暑。
にもかかわらず、積乱雲の発達がありません。今日などは、綿菓子のような積雲すら出現せず、筆でさっとなぞったような高層雲しか見当たりません。
ほどほどの夕立さ~ん、来てくださ~い。
入間川の水も、ぐっと減ってしまいました。
そんな状況ですから、庭の木や草も、水がほしくて堪らないと言っています。それに応えて水やりは欠かしていないつもりですが、熱ストレスなのか、タイワンホトトギスの一部に葉枯れの症状が現れています。
まあ、これは軽症なので大きな問題は無さそうです。
ショックなのは、モミジの二つの主要な幹のうちの一つが弱ってしまったこと。重症なので、幹を切るしかないかもしれません。
水やりは、長期入院中の隣家からも依頼を受けているので2軒分。両方の庭を合わせても決して広くはないのですが、それでも時間はかなりかかります。
大変といえば大変。でも、水やり中に、様々なハプニングに出会うので、楽しみでもあります。
犬も歩けば棒に当たりますが、こやんぴが水やりすれば事件にぶち当たるのです。
散水に目を細めるアマリン嬢
今日も今日とて、隣家との境の水やりに取りかかると、突然の「雨」に慌てたショウリョウバッタがバタバタと登場。
「ショウリョウバッタさん、葉っぱを食べるのは構わないけれど、少量にしてね、お願い!」
「へ~、少量しか葉っぱを食べないのでショウリョウバッタって言うんだ! 知らなかったぁ。」
違います、違います。ここをどこだと思し召しでしょうか? こやんぴのブログなのでございます。「ショウリョウ」なので「少量にしてね」との戯れ言。いつもの無駄口。実際のショウリョウバッタは、葉っぱを大量に食べる困ったちゃんなのです。
「ショウリョウバッタ」の「ショウリョウ」は、「精霊」だと言われています。
横道に逸れすぎました。水やりを雨と間違えてショウリョウバッタが出てきて・・・
さて、その後です。
名前に「雨」が入っているのに、最近、とんと雨にご縁のなかったアマガエルが、
「あら、何とも心地よい雨だこと。濡れに参りましょう。」
と呟きながら、塀をよじ登って来るではありませんか。
そして、塀の上にじっと佇み、「ああ良いお湿り」とばかりに目を細めています。
こんなに感激されては、こやんぴ、アマガエルのアマリンに精一杯のサービスをするしかありません。ノズルを霧雨モードに切り替え、アマリンに癒しのひとときを提供させていただきました。
あまりに可愛いので、写真を撮らせていただきました。
私は、この後、他の場所の水やりに移動し、アマリンは、お隣のサツキと我が家のアジサイの「森」へと歩み去りました。
再開を約束することなく別れたアマリンとこやんぴ。まさか、この後、衝撃の出会いをすることになろうとは・・・
神ならぬ身のアマリンとこやんぴ、知るよしもなかったのであります。
シソとバジルをかじる憎い奴
敷地の東側、南側に回って、水やり。
南側は日に照らされる時間が長いので、土の乾きが早いですね。しっかりと散水しました。
ここでも、いきなりの「豪雨」に驚いて、ショウリョウバッタがピョンピョンと逃げ惑います。
雨が大嫌いなカマキリも。
ショウリョウバッタにせよ、カマキリにせよ、春には豆粒ほどの大きさ、とっても小さかったのに、ずいぶん成長したものです。
水やりを終えた後は、バジルとアオジソの虫退治。
私は、虫退治が苦手。
虫が苦手なのではなく、虫を捕殺するのがどうもね。だから、野菜は基本的に作らない。
それなのにバジルとアオジソがあるのは、妻が苗を手に入れてきたから。
最初、ほったらかしにしていたら、アオジソは虫によって丸裸。食べるもののなくなった虫たちはバジルに移動し、バジルにも被害が。
そこで、虫の正体を探ることに。
最初は、摘み残したバジルの花にやって来るヤマトシジミを疑いました。
「あんたの子供たちなのかい?」
ところが、ヤマトシジミの子供たちはシソ科の葉っぱは食べません。カタバミが食草なのだそうです。
ヤマトシジミさんには、とんだ嫌疑をかけてしまいました。
そこで、シソを食草とする昆虫をネットで探してみると、我が家のシソをひどい目にあわせた虫の正体が分かりました。
ベニフキノメイガ。
蝶の幼虫だと可愛そうで捕殺できない、蛾ならオッケー、というのは「なんだかな~」とは自分でも思うのですが、虫の肉団子づくりの名人であるアシナガバチとも手を組んで、アオジソとバジルの救出作戦に参加しました。
この結果、アオジソが復活しつつあります。まだまだ惨めな姿ですが。
危うし! アマリンお嬢様
お隣への水やりに、先ほどアマガエルのアマリンと別れた場所に戻りました。
隣の木々への放水開始。
「あっ、カマキリだ。あれっ? 空豆みたいなものを抱えてる。」
サツキの陰で、「大物ゲット!」と誇らしげなカマキリ君。
近づいて「空豆」の正体を確認しようとするものの、獲物を私に盗られるものと勘違いしたのか、カマキリ君は、掴んでいるものを隠すようにしているので、なかなか分かりません。
私の見間違いで、単に葉っぱを掴んでいるだけだったのか・・・
もっと近づいたら、驚くべし、カマキリが斧でがっちり掴んでいたのは、ええええ~っ、アマリンではないですか。あまりの事態に呆然とするこやんぴ。
「もう、かじられちゃったのか。止めを刺されちゃったのか。」
可愛そうなことをしました。霧雨を掛けてあげさえしなければ塀の上に上がって来なかっただろうから、こんな過酷な運命に見舞われることもなかったはず。
その時です、アマリンの足がぴくりと動いたのは。
とっさに、ノズルをカマキリに向けたこやんぴ。
圧のかかった水を浴びたカマキリは、ビックリして逃げ去りました。獲物を隣家の庭に落として。
水やりのために立ち入りを許されている隣家に一目散のこやんぴ。アマリンが落ちたと思われる辺りを懸命に捜索。息絶えていたらどうしよう、瀕死の重症だったらどうしよう。
あっ、いました、アマリン。
でも、動けないかな、心配だなぁ。
次の瞬間、アマリンはぴょ~んと高く高く跳び上がったのでした。
アマリンをカマキリの斧から解き放ったのは私なのですが、救われたのは私の方です。