「こやんぴ」のぶらりお散歩ブログ

お散歩大好きの「こやんぴ」が、ふと出会った植物や動物たちについて思いつくままに記していきます。

今日もネジバナ

過ぐれば民の嘆きなり

 

「明日は大荒れ」の予報となっていますが、今日はカンカン照りで、蒸し暑くて・・・

 

 私たち現代人は、天気予報により、台風が接近しつつあることをすでに知っています。でも、天気予報のなかった時代の人々は、これから明日、明後日にかけての天気の激変を、「目には見えないけれど、何かとてつもなく大きな力」によるものと考えたことでしょう。

 

 当地は、水田地帯なので、雨が少なすぎると田に水を入れることができず、稲が育ちません。そんなの困ります。

 かと言って、大雨が降って河川が氾濫などしようものなら、水田は土砂の山。稲は全滅。結果、その年の米の収穫はゼロとなってしまいます。それじゃあ大弱りです。

 雨が多すぎても駄目、少なすぎても駄目、ちょうど良い水の恵みをお願い・・・

 とても虫のよい、でも、極めて切実な民の願い。

 

 そのようなわけで、当地の「村の鎮守」も水神系。水の神様、農業の神様です。

「鎮守さまは、きっと願いをかなえてくれる」、そう信じてはいるものの、「願い」をもっと確実なものにしたいのは人情というもの。これが、当地に、水に関わる石碑や社が複数存在する理由です。仏法を守護する「八大竜王の石碑」とか、「九頭竜さま」とか。

 

 八大竜王と言ってすぐに思い出すのが、鎌倉三代将軍である源実朝の短歌。

  時により過ぐれば民の嘆きなり八大竜王雨やめ給へ

 

 実朝は、政治的実績を残す間もなく、誰かにそそのかされた(?)甥っ子に殺されてしまいましたね。そのような次第で、とても影の薄い、地味~な将軍というイメージが先行しますが、ずいぶんと優しい歌を残したものです。

 優しすぎて、権謀術数渦巻く鎌倉幕府の中で上手に身を処していくことができなかったのかな。

 

 今回の台風で、大きな被害の起こらないことを祈っています。実朝の歌を思い浮かべつつ。

 

 

カンカン照り下のネジバナ撮影

 

 今日は、昼間に、何とかネジバナ撮影の時間をとることができました。

 でも、暑いこと、暑いこと。

 桜の木の下に入るとほっとしますが、残念なことに、ネジバナが咲いているのは、ほとんどが木陰ではなく、直射日光下。

 

 土手の芝地に寝転んでのネジバナ撮影にかかろうとしたら、傍を、撮り鉄のお兄ちゃんが通りかかります。川越線の列車を激写するつもりなのでしょう。

 お互いの視線が激しく交差いたします。バチバチバチッ。

 

「あのさあ、こやんぴ! 『視線の交差』っておかしくない? 『視線のぶつかり合い』じゃあないの?」

 

 それが違うんですね。

 カメラ機材を持っている者どおしの視線は、相手の目になど向かっていないのです。視線の先にあるもの・・・それは相手のカメラやレンズなのです。だから視線は、お互いの立ち位置の中間地点でバチバチバチッと交差することになるのです。

「あっ、あんな高級カメラを持っている!」

「おおおっ、ピッカピカの最新機種だ。俺も欲しい!」

 あほらしい限りです。

 

 幸い今回は、所有物が両者とも普及機だったので、視線の交差は、「ちらっ」で終了。余計な物欲が湧き、心乱れる事態とはなりませんでした。おお、あほらし。

 

 さてさて、閑話休題です。ネジバナ撮影にとりかかりましょう。

 まずは、昨日確認した「もしかしたら白花」はと・・・

 

 しまった! 昨日、「もしかしたら白花」の場所がすぐに分かるように、周りの情景をしっかりと記憶するのを、他の人には目立たない程度の目印を置いておくのを、すっかり怠っていたのです。結局、見つかりませんでした。数日後に開花するでしょうから、次の機会に探すこととします。

 

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 蕾も美しい。

 ラン科の植物は、全開の際に、唇弁(上の写真で言うと、一番下の花の白い部分。)が花の下部に位置するのが普通です。上の写真の花も、体操の白井君のように、唇弁で「着地」を決めようと体をひねっている最中ということになります。連続写真みたい。

 

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 ネジバナの花は数ミリしかありません。唇弁の奥で蜜を探っている昆虫(申し若ありません。焦点があっておりません。)が、とても小さいことが分かりますね。

 

 ネジバナには、小さな昆虫たちがたくさん集まってきますので、他花受粉の機会は多いようです。わざわざ自花受粉をする必要性は低いのですが、オオイヌノフグリと同様、他花受粉が成功しなかった場合に、最終手段として自花受粉するメカニズムも備えているらしいですよ。すごいですね。

 

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 びっしりと隙間なく花がついていると、少しずつ捻じれているのがよく分かりますね。

 

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 ヒラタアブでしょうか。たまたま飛んできたのですが、ばっちりと姿を捉えることはできませんでした。残念。

 

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 ツバメシジミは、シロツメクサの方がお気に入りのようでした。

 

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 ツバメシジミという名前の基となった翅の突起がよく見えます。この出っ張りが「燕の尾のようだ」ということ。まるで触角が2対あるかのようです。

 

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 羽を広げたところも撮影したかったのですが、叶いませんでした。

 

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 ハナムグリかな? さすがのハナムグリでも、ネジバナの花には潜りこむことは不可能です。

 

 炎天下の撮影は、かなり応えました。

 熱中しすぎると、熱中症(昔は「日射病」と言っていたような気が・・・)になってしまうので、ハナムグリ同様、桜の木陰に潜りこみました。