赤詰め草もつらいよ
もうすぐ田に水が
私の散歩コースの一つは、この水田地帯。
当地のお米は、ブランド化はされていませんが、とても美味しいのです。
水田からの水漏れを防ぐために畔を塗り固める「畔作り(くろづくり)」(「畔塗り」とも言います。)も終わり、もうしばらくすると田に水が入り、辺りの風景は一変します。大げさではなく、湖が突然出現したようになるのです。
畔作りは、手作業時代は大変な重労働でしたが、今はトラクターの力を借りて下の写真のように綺麗に仕上げることができます。
ところで、稲が育つところを代(しろ)と呼び、そうでないところを畔(くろ)と称することについてですが・・・
水田って、水が張られた「白い部分」を田土の「黒い部分」ががっちりとガードして成立するものなんですね。この「しろ」と「くろ」の重なりは、単なる偶然なのでしょうか?
それとも、語源を辿ると同じルーツに到達するのでしょうか?
河川敷の花たち
水田地帯から、河川敷へと向かう道で、光芒が明瞭ではありませんが、「天使の梯子」現象に出会いました。
河川敷には、アカツメクサが咲き誇っています。
二つ並んだこの花たちの色は、アカツメクサとしては標準的なものと言えるでしょう。
こんな咲き出し方をする個体もあります。違う花かと思うほど。
「おっ、色の濃い個体だ!」と興奮しすぎたのか、せっかくの美しい花色が台無しになるピンぼけ写真になってしまいました。
シロツメクサではありません。
アカツメクサの白花。ややこしや~。
撮影時には気がつきませんでしたが、花の中に、不完全変態の昆虫が潜んでいましたね。バッタの仲間かな?
本日のタイトル、「赤詰め草もつらいよ」とは、まさに、このこと。
アカツメクサの隣で咲いているのは、ヤセウツボ。葉緑体を持たないので、他の多くの植物たちとは違い、自らの力で栄養をつくりだすことができません。
ヤセウツボは、自らの根をマメ科やキク科の植物の根に絡みつけ、そこから、他の植物が炭酸同化作用によって作り上げた栄養を、チュ~チュ~吸い取ってしまうのです。
ヤセウツボの隣のアカツメクサは、間違いなくヤセウツボに栄養を吸い取られております。ヤセウツボが太り、アカツメクサが痩せる・・・世の中間違ってはいませんか?
下の写真は、ナヨクサフジ。
クサフジは夏から秋にかけて山地に咲きますが、こちらは春から初夏にかけてさきます。「なよ」は「弱」で、「なよなよした草藤」といったおしとやかな名前を頂戴していますが、なよなよなんかしておりません。
当地では、何年か前までほとんど見かけなかった植物ですが、ここ数年で爆発的に増えています。他の植物、特に生育環境が近似のマメ科の植物が迷惑を被ることでしょう。
誰なんですか!? ナヨクサフジなんてか弱そうな名前を付けたのは!
こんな具合(下の写真)に、他の植物の領分を侵食しつつあります。
ナヨクサフジより少し先輩で、やはり勢力拡大に熱心だったシャクチリソバ(下の写真)も、生育場所が重なることから、うかうかしていられないかもしれません。