春のバトンリレー
薬の副作用が・・・
通院したのが水曜日、木、金と「持ち帰り」のボンベからの点滴が続きます。
それも昨日の昼間には終わり、身軽にはなったのですが・・・
吐き気がまだ残り、お腹の調子が今一つで、体に力が入りません。
それでも体を動かさないと、回復が遅くなるような気もします。
ぐうたらしていようか、散歩に行こうか、ベッドの中で逡巡するこやんぴ。
「早くしないと、おいていっちゃうよ。」
待ってくれぇ。
体に力が入らないこともあって、歌舞伎の暗闘(だんまり)に出てくる「山賊実は平将門」そのままのスローなお出かけ準備。
結局、8時近くになってからの散歩となりました。
春の妖精たちは今
「春の妖精」たち(今回の訪問先は、ヤマエンゴサクとアマナの群落。)は、どうしているでしょうか。
まずは、ヤマエンゴサク。
咲き残りの花も花弁が痛んでおり、茶色に変色したものも見受けられます。
葉には、昨晩に降ると予想されていた「大雨」が空振りに終わったため、大風が運んできた埃が付着したままになっています。
もうすぐ、葉も刈れて、長い夏休みに入ります。
続いて、アマナの群落に向かいます。
すでに葉が黄変していました。左下隅に花柄が見えていますが、分かりにくいかもしれません。
アマナも、これからの季節は、伸び放題に伸びる他の植物に任せて、来年の春までじっと地中で待機することに。
新しい仲間がやって来て・・・木本植物編
ウグイスが「ほ~、ほうけ? 今日?(人間語訳 ; へ~、そうなの? え、今日かい?)」と鳴いています。
誰かと待ち合わせでしょうか?
私が口笛で、「ほ~、ほけきょ、けきょ、けきょ」。
ライバルだと思ったウグイスが、「ほ~、ほっとけ、けきょ」。
ニワトコの花が咲いていました。
クワの花は、まだ蕾。
しばらくすると、複雑怪奇な花が咲きます。
桑の実は、人間も果実酒にしたりしますが、ムクドリなどの鳥たちの大好物でもあります。
このオニグルミの雄花は、もう開花して花粉を飛ばし始めている模様。
雌花が開花している個体が、もうあるのでしょうか?
クヌギの雄花です。これも、オニグルミ同様に風媒花です。雌花は葉の付け根に縮こまって咲きますが、この個体ではまだ開花していないようです。
エノキとムクノキ、そしてクヌギの混交林です。
緑が萌え出てきましたね。
はるか昔、春雪の降った日にこの場所の写真をパチリと撮ったら、それがある写真コンクールで金賞になってしまったことが。
私にとっては恩人の林です。
続いて草本植物編
キランソウ(シソ科キランソウ属)は、相変わらずの低姿勢。地べたに這いつくばるようにして咲きます。
「地獄の釜の蓋」というおどろおどろしい別名を持っているというのに、この謙虚さはどうでしょうか?
セリバヒエンソウ(キンポウゲ科オオヒエンソウ属)。
芹の葉っぱに似たツバメが飛ぶような姿の花、そのままの命名ですね。
よく見ると、オダマキに似ていなくもない。
元々は、中国から観賞用として来日したようですが、今では立派な「雑草」です。
当地では、少し前までは、大群落を形成するほどの勢いでしたが、最近、少々おとなしくなってしまったような気がします。
何十年も前、こやんぴがNHKの取材でテレビ出演した際には、この花が一番目立っていたんですけれどね。植物間の勢力争いも、政治家の権力争いに負けず劣らず、厳しいものがあるようです。「忖度」などしていたら、争いの場から退場するしかないのですから、より厳しいといえるかもしれません。
セリバヒエンソウの縦位置の写真、ツバメが列をなして飛んでいるように見えませんでしょうか?
え? 見えない? そうかなぁ。
クサノオウ(ケシ科クサノオウ属)。
花の数が増えてきました。左側に細い棒のようなものが見えますが、これは、咲き終わった後、莢の形成が進みつつあるもの。
この中に形成される種には、スミレやカタクリと同じように、アリさんたちが大好きな食べ物(エライオソーム)がコーティングされています。
アリさんたちに子孫を遠くに運んでもらっているんですね。
帰り道で出会ったのは・・・
そう思ったあなたは鋭い!
ヒガンバナの咲く頃に真っ白な花を咲かせ、まるで雪が降ったような姿になります。
センニンソウ属の仲間がクレマチスとして愛好されているので、それと形態が似ているのも当たり前、ということになります。
廃寺に咲くシキミ。今も残るお地蔵さまやお百度石とともに、お寺であったことを今に伝えています。
今日見てきた植物には、実は、有毒なものが多かったのですが、シキミも有毒。どころか、実(み)には命にもかかわる毒があるとか。
日本に生育する植物の中で唯一「劇物」に指定されているそうです。ひぇーっ!
ナガミヒナゲシ(ケシ科)。
道路脇に群生しているので、見たことのある方も多いのではないでしょうか?
漢字で書くと、「長実雛罌粟」だそうですが、下の方に写っているとおり、実はそんなに長くはありませんよね。
私は、長い身(丈)の雛罌粟だと思っていました。
写真のナガミヒナゲシの花の根元に、カメムシのような昆虫がいます。
何をしているのでしょうね。
ナガミヒナゲシは、1960年代が初見とされる外来植物です。
実の上の方に蓋のようなものが付いているのがお分かりになるでしょうか?
実際に、これが蓋のような役割をしていて、「蓋」の下で、千を越える芥子粒が熟するのを待っているのです。
そして、実の緑色が薄れ茶色になる頃、種が成熟します。
すると、あら不思議、蓋がぱかっと開いて、種たちの旅立ちの準備が完了となります。
そうすると、細いガラス容器の中に、小さな軽い粒粒が入ったような状況が生まれるわけです。細いガラス容器の縁に口を当て、ふーっと息を吹きかけると、中の粒粒が飛び出していきますよね。
ナガミナデシコの実も、まさにそれ。
自然に吹く風や、車が通るたびに巻き起こる風がこの容器に吹き込まれると、芥子粒が実の中で渦を巻き、そして、次々と、元気よく外にこぼれて出ていくのです。
芥子粒というくらいですから、飛び出た種は、車が通るたびに、自然の風が吹くたびに、遠くへ遠くへと運ばれ、そのうちの運の良い種が道路脇の土の上に着地し、やがて、道路に沿ったナガミナデシコの群落となるのです。
きれいな花ですが、繁殖力が強すぎるので、日本古来の植物を駆逐する面もあるようです。
今日は、川越水上公園内の八重桜も見てきましたが、長くなりましたので、この辺で失礼いたします。