「こやんぴ」のぶらりお散歩ブログ

お散歩大好きの「こやんぴ」が、ふと出会った植物や動物たちについて思いつくままに記していきます。

アマナ 春の妖精の一つ

 アマナは、ユリ科アマナ属の花。

 原種のチューリップに似ていることから、チューリップ属とされていたこともあります。けれど、チューリップ属が、地上部近くに開いた葉の間から茎がまっすぐに伸び、その上に花を咲かせるのに対し、アマナ属は、写真のとおり、茎の途中に一見葉のように見える苞があることから、現在では別の属とされているようです。

 

 園芸種のチューリップのように優美ではありませんが、私は、花弁の縞模様、細い筆でなぞったような赤紫色の縞模様が大好きです。

 

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 太陽が大好きな花なので、朝夕は蕾を閉じていて、真昼でも晴れた日にしか花を開きません。

 私がまだ給与所得者だった頃、この花の咲く3月の末から4月の初めにかけては土日も忙しかったので、昼間に散歩をする機会がほとんどありませんでした。当時は朝夕の蕾ばかり眺めていたのです。

 

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 間違っても、この花の前で、「野生の植物を自然の中で楽しむ」ということを理解しない方に、

「 なぜアマナと呼ばれるかご存知ですか? 球根が甘いんです。それで、甘い菜、アマナとなったんですよ。」

などと言ってはいけません。

 

 そんなことをすれば、次の日あたり、あたり一面を大型のシャベルで穿り返されてしまい、全滅を免れません。

 アマナの球根は意外に深い所にあるようで、不心得者が掘り返した後は、大きな掘り跡ができてしまうこと必定です。ご用心、ご用心。

 

 実は、私、「この人なら大丈夫」と信じてアマナのありかを教えてしまったために、苦く悲しい目にあったことがあるのです。深く反省しています。

 

 食べることが目的の球根狙いではなく、「この花を家の庭に植えて自分だけ楽しもうかな。」というタイプの不心得者の場合は、小型のスコップしか持ってこない可能性があります。この場合も悲惨です。球根のずっと上の茎でぽきんと折れて、一巻の終わり。

 

 アマナと同じように球根が深い所にあるのが、カタクリ

 私が20歳台の頃は、県内の山地のあちこちにカタクリの大群落がありました。

 その後の山野草ブームなどにより、心無い「山野草マニア」が「少しぐらいはかまわないだろう。」と次から次へと掘り起こし、さらには盗掘業者が「大儲け、大儲け。」と口ずさみながら大量に持ち去り、道路工事などで無造作に削り取られなどして、保護されたところ以外には、ほとんど見受けられなくなりました。

 

 持ち去ろうとして掘り始めたにもかかわらず、球根にまで到達できず、途中からポキンと折ってしまって掘り起こしを断念したような場所も多かったことでしょう。そういった所でも、生育環境が荒らされた結果、他の植物に生育地を奪われてしまったことも少なくなかったことでしょうと。

 

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